山本理さんの「男が語る美容に効く話」

第55回
六十代に見えた八十代の女性

年配の方には「エッ、そんなお年に見えないけれど」という
年齢とは無縁の生活を送っている方もおられましたが、
まさにその言葉が当て嵌まるお客様がおられました。
補聴器の点検をして欲しいとご連絡があったので
ご自宅へ訪問しましたが、
玄関でチャイムを何度か鳴らしてみても応答がありません。
補聴器を使用される方はお家にいらっしゃっても、
チャイムの音が聞こえていないことはよくあることですし、
お約束していた時間までにまだ少し余裕があったので、
外出先から帰って来られていないのかもしれないと、
私は近所を歩いて時間をつぶすことにしました。 
そうこうしているうちに、
お客様の家の前に自転車をとめた女性が
家に入る姿が見えました。
少し離れた場所からその様子を見ていた私は
ご本人の世話をするために
ご家族の方がやって来られたのだと思いましたが
実は、その方が八十八歳になるお客様だったのです。 
遠目からだっだといっても実年齢と
見た目があまりにもかけ離れていましたが、
そんなことだと思いもしなかった私は
お家にお邪魔して、
ご本人の他には誰の姿も見えなかったために、
漸く事実に気付いたほどです。

見た目といっても、
服は普通の格好で
格別オシャレされているようには見えませんでしたが、
若く見えたのは姿勢が良かったことと
自転車から降りた後の一つ一つの動作が
キビキビされていたことにあるのかもしれません。 
友人の方たちからは「補聴器が必要ないのでは?」
と、言われることもあるそうですが、
よくお話しになるので、
周囲の人からそう思われるのかもしれません。 
また、毎日のように外へ出かけておられると仰っていましたが、
足腰がしっかりされているから外出されることが多いのか、
外出の機会が多いから足腰がしっかりされているのか
わかりませんが、私が知っているだけでも
自転車に乗っておられる年配の方は結構おられました。
高齢化社会といっても、この方のように
体力年齢や精神年齢が若い方は
どんどん増えているようですね。


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