米山公啓  脳とからだの健康方程式

今日から変えること

第128回
からだにいいものを食べたらそのまま細胞に入るわけではない

例えば、グルタミン酸というものが、
脳の中で大切なものということはわかっています。
アセチールコリンも脳の細胞同士の連絡に使われる物質で、
認知症では減ってきてしまいます。
だから足りないものを食べて
補給すればいいと思ってしまいますが、
こういった脳に必要な物質を、
食べることで直接補給をすることはできないのです。

グルタミン酸を食べても、消化されてしまい、
分解を受けて、腸で吸収されて
原料のひとつにはなるかもしれないですが、
直接脳へ行くのではありません。

アセチールコリンの原料であるコリンを含む豆類を食べても、
直接増やすわけではありません。

脳の血管の内側は毒物など吸収しにくくなっていて、
脳を守っているので、簡単には吸収されないのです。

からだにいいものというと、コラーゲンなどもあります。
しかし、コラーゲンも飲んでしまうと、
腸で分解を受けて、そのまま吸収されることはありません。

からだに不足しているからと言って、
それを単に飲めば効くというのは、科学的にはおかしいのです。

プリメントではそういって効用をうたう場合が多いのですが、
人間のからだは、異物を排除する働きもあって、
簡単に吸収できないということなのです。

食事を原料にして、からだの中で作り出す場合が多いのです。
コレステロールなども、実際には、
食事からより、自分の肝臓で作っているコレステロールのほうが
多いので、食事の影響はむしろ少ないと考えるべきなのです。

つまり、バランスのいい食事ということが、健康に大切であって、
何か足りないので、それだけを単純に補うという考え方は、
危険なのです。


←前回記事へ

2010年12月31日(金)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ