新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第47回
クレーム屋にご注意を!!

中国には、どうも納得のいかない、
いや、あまりにも物事を単純に解決しようとする面が
出すぎた法律があります。
その1つに“欠陥商品の代金倍返し”があります。
この法律、私もまだ100%咀嚼できているわけではないのですが、
中国では広く一般的に知られている
消費者保護の一環のようです。
粗悪な偽物商品や、
衛生管理の行き届いていない食品等の販売を
抑止する目的で作られたものだと思いますが、
悪用されるケースも目立ちます。

当社も食品を取り扱う者の基本として、
商品管理・衛生管理には特に注意を払っていますし、
敏感に反応する部分でもあります。
そこに上記の法律につけ込んで、
明らかに悪意をもった賠償金の要求をしてくる輩が
残念ながら出てきます。
これは日本も中国も良い人もいれば悪い人もいますので、
中国がどうだと述べるつもりは毛頭ございません。
私が注意を促したいのが、このクレーム屋、
どうやら組織的なネットワークを
持っているように感じるのです。

昨年の秋、ある店舗で当社が販売したホールケーキに
虫が入っていたとのクレームがありました。
そのケーキをもって店舗に来て大騒ぎになり、
その場で売値の倍の金銭を要求されました。
クレームを付けられたケーキが
当社で一番高いホールケーキであったことや、
やけに法律に詳しいことから店長も不審に思ったようですが、
この時はすぐに賠償金の要求に応じました。
問題はそれから立て続けに
異物混入を訴えたクレームが発生したことです。
これには戸惑いました。
クレームの対象品のほとんどが一番高いチョコレートの
ホールケーキです。
1つ400元ほどする商品です。
続けて3回ほど来た時点で、
これは完璧なクレーム屋組織だと思い、
クレームに来た人の身分証明書のコピーを
何とか入手できたので、警察に照合すると警告しました。

それ以降、クレームはピタリと止みました。
このようなクレーム組織対策もしっかりと講じなければ、
自らに落ち度がなくとも
痛い目に遭うことを身をもって学びました。


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2007年6月14日(木)

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