新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第46回
縦割り組織にご注意! はまった落し穴−その2

Q's CAFEの出店で、環境局ではまった落し穴の他に、
もう1つ落し穴が待ち受けていました。
衛生局は、売場と簡易調理区を
床から天井まで壁やガラスでしっかりと区分けし、
また、天井板を二重に張るように要求してきました。
一方、消防局はスプリンクラーの設置状況から、
売場と簡易調理区の間に仕切りを作ってはならない、
また、新たに天井板も張ってはいけないと
図面の変更を指示されました。

消防局と衛生局、それぞれの基準を満たそうとすると
いずれかで不合格となってしまう事態に陥ってしまったのです。
消防局に
「衛生局があのように言っているので、何とかなりませんか?」
とお願いしても
「衛生局が何と言おうと、関係ない。
図面の変更ができなければ不合格だ!」
という答えが返ってくるばかりです。
衛生局に逆のお願いをしても答えは同じでした。
結局、入れ代わり立ち代り、色々な方に協力を頂きながら、
何とかお互いに面子が保てる奇策を考え出し、
話をまとめることができました。

結果はと言いますと、
壁は途中まで、天井はすべて張るのではなく
デザイン的な隙間のある天井を採用するということで
両局からOKを頂きました。

この“縦割り組織の落し穴”にはまって、
どうにもこうにもならなくなったお店をこの後幾つも見ました。
内装は9割方完成しているのに、
最後の最後で営業許可書が取れないのです。
皆必死で“人脈”を探したり、
やむなく事業転換をしたり、または格安で譲ったりと
酷い目にあう人は少なくありません。
北京人であっても、
この落し穴にはまって解決できずにいる人を見かけます。

回避するには経験を積むしかないのでしょうが、
やはり“これでもか!”というぐらい事前確認は徹底的に行い、
また、日頃から情報収集に励む必要があります。
それでも回避できないぐらいですから、、、。


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2007年6月12日(火)

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