新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第61回
内装工事はなぜ期日通りに終わらないのか

中国では建物の内装工事の際に、
必ずと言っていいほど問題が発生します。
私もかれこれ7回以上の内装工事を行ってきました。
その多くは新規出店に伴う内装工事です。
トラブルを避けるのはまず不可能であり、
場数を踏んでトラブルの起こる回数を減らすしかありません。

最近の工事では成都伊勢丹店への出店に伴うものと、
新工場の建設に伴うものがありました。
何度言っても、何度注意しても、
必ず起こる単純なトラブルとして
“設備が入らない”というものがあります。
どれほど強く
「設備を入れるまでは戸口を作るな、ガラスを貼るな」
とお願いしていても、ほぼ毎回この問題は発生します。
5月にオープンした成都伊勢丹店でも、
冷蔵庫をもってきた業者が為すすべもなく
呆然と立ち尽くしています。
入らないのです。

なぜこうも毎回毎回同じ問題が発生するのか、
それは中国独特のスケジュール管理に原因があります。
第58回のコラムでもご紹介しましたが、
日本のスケジュール管理は
計算に基づき非常に綿密に組まれています。
関係者全員が自身に関連する工期を全て把握しています。
その点、中国では納期だけがクローズアップされ、
その納期までの細かなスケジュール過程には
あまり興味を抱きません。
その為、出来るものからドンドン作るので、
全体のバランスが崩れてしまい、
結果としてやり直しを余儀なくされ
工期が遅れてしまうという悪循環に陥ってしまうのです。

最近、
日本人がスケジュール管理を行ってくれる会社が見つかり、
大変助かっています。
中国の内装が遅れてしまう一番の原因は
スケジュール管理の甘さです。

しかし、最後の“追い込み”は目を見張るものがあります。
工期の大半を10名前後で行なってきたのに、
最終日に50人を超える作業員がやってきて
一気に仕上げていきます。
ただし、一ヶ月もすれば
あちらこちらから、ボロが出てくるのは言うまでもありません。


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2007年7月17日(火)

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