新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第76回
マッチングビジネスはまだまだです

私が“中国にあったらな”と思うものの多くに、
“出会い”をビジネスの根幹におくものがあります。
例えば、不動産や人材派遣業などは
わかりやすい例かもしれません。

北京はまだマシですが、
以前私がいた成都などは本当に困りました。
ほしい情報が手に入らないのです。
社員の宿舎探しならまだ何とかなりますが、
大型の施設やそれこそ工場などになると
極端に情報が入手しづらくなります。

例えば、日本で不動産物件を探す場合は、
近所の駅前などにある不動産仲介会社へ
足を運ぶのが一般的だと思います。
経験がある方はお分かりかと思いますが、
多少の違いがあるにしろ、同じ物件がリストに載っています。
これは恐らく
共同のホストコンピュータに蓄積された物件情報へ、
仲介業者がネットワークを介して
アクセスできる仕組みがあるのでしょう。
この仕組みがあれば、最新の物件情報は無理かもしれませんが、
大方の情報はアッという間に入手することができます。
しかし中国ではこのシステムがほとんど見受けられません。

不動産仲介会社は日本と同じように
路面店でいくつもあるのですが、
そこの社長が個人的に入手した、
限定的で非常に偏った情報しか入手できないのが現状です。
結果、物件探しは困難を極め、
自身の足で候補地を一日中回る羽目になります。
それこそ“噂”や“紹介”が頼りの物件探しになります。
私の場合は、最終的にはお金を払って新聞広告を出しました。
「求む!2,000m2以上で食品製造可能な工場物件」と。
この方法がある意味、
貸し方借り方にとって有効である数少ないマッチングの手段です。

スタッフ募集も基本は同じです。
それこそ最近は
外資も含め人材紹介業も盛んになってきましたが、
それはあくまで一部の高級マネージャークラスの人々や、
日本人を含む外国人であったりします。
飲食業であればホールスタッフ、工場であれば
作業員など給与が低く、
地方から上京して来る人々が就く職業に関しては、
それこそ個人的な繋がりを会社も個人も頼りにしている状況です。
成都では新聞に出す人材募集の広告も
費用対効果からみても有効な手段でしたが、
北京ではそうではありません。
それは、ホールスタッフの人材募集の広告をうっている企業が
ほとんどないことが証明しています。

近い将来、この不便さを解消する
企業や仕組みが早くできてほしいものです。


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2007年8月21日(火)

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