新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第81回
目先の小金に惑わされるな

「目先の小金に惑わされちゃ駄目ですよ」

私が3年前に成都へ赴任した頃、
邱先生に“成功するための条件”についてお尋ねした時に
言われた言葉のひとつです。

この言葉には2つの意味が込められています。
ひとつ目は“小金に手を出すな”です。
自分のものではないのに、自分のものにしてしまうことです。
簡単に言うと横領ですね。
後々わかったことですが、
意外にも多くの人がこの課題でつまずいているようです。
やってしまったらそれでゲームオーバーです。
ほとんどの場合は先へは進めないでしょう。
麻薬と一緒で、そこから抜けだせることは稀で
絶望的ではないでしょうか。

人の心は弱いものです。
お金の誘惑から逃れるのは大変です。
今は「俺は絶対にしないね!」と言っている人でも、
立場と環境が変わればすべてが変わることだってあるのです。
そんな誘惑に惑わされない為には、
やはりしっかりとした目的意識が必要です。
自分の目的地はどこなのか、何なのか。
しっかりとした考え、強い意識がないと、
あっさりと脱落してしまうのです。

ふたつ目は“小金で大局を見失うな”です。
目先の小金に釣られて
心中にもっていた大意を捨ててしまう事です。
ちょっと給与条件の良い仕事の話があると、
すぐに心移りするタイプの人は、
結果としてもっと大きなチャンスを失っているかもしれません。

中国でも最近話題になっているのが
“最初の会社の給与を上回ることのできない人達”
についてです。
ちょっとした不満や儲け話が原因で転職した人達が、
その後、何度職を変えても
最初に就職した会社でもらっていた水準の給与を
超えられないという現象です。
転職が激しい中国なので
そのような人々が多く目に付くのかもしれませんが、
それは誰にでも起こりえる話です。
自身で決定した人生プランにそぐわない儲け話には
安易に乗らないことです。
目的を達成するためには、
それ相当の決意と達成に伴う対価を
支払わなければならないのです。

お金の力には凄まじいものがあります。
お金は人を幸せにもしますし不幸にもします。
正しい付き合い方を
日頃から意識していくのは大切なことですね。


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2007年9月1日(土)

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