第324回
香港:銀行プライムレート引き上げの影響は?

香港の市中銀行各行が5月19日、
最優遇貸出金利(プライムレート)及び
預金金利の引き上げに踏み切りました。
5月3日の米FF金利引き上げの際には
追随を見合わせましたが、
香港金融管理局(HKMA)が、
対米ドル・ペッグ制をとる
香港ドルの小幅な変動を認める
目標相場圏(ターゲット・ゾーン)制度を導入する
という為替制度変更案を
5月18日に発表したこともあり、
利上げを決定したようです。

米国の例をとるまでもなく、
世界的に金利引き上げ周期に
突入しているとされています。
そうした中で、香港でも、
今回のように
若干の時間差はあることもありますが、
米国とほぼ連動するように、
利上げに動く傾向は、
今後多くなる可能性があります。

香港の銀行各行が利上げを行えば、
不動産関連銘柄に影響が出ます。
香港市場において、不動産関連銘柄は
中心的な役割を果たすセクターだけに、
ハンセン指数のみならず、
中国関連銘柄にまで
時には影響を与えることになります。

5年来のデフレ脱却を果たし、
失業率もわずかながら
下がり始めている香港の景気は、
回復基調にあるとも言われています。
そうした中で、不動産業界の回復は、
やはりこれもまた周期的なものもあって、
株式市場にとっても歓迎されていて、
相場全体を下支えする
大きなファクターとなっていました。

金利引き上げが
すぐに香港の不動産市況に影響を与え、
それが企業業績に
直結するとは考えられませんが、
景気回復、安定成長という傾向となっていただけに、
若干の水をさす可能性は考えられます。

H株はむしろ
人民元の切り上げ問題及び
その動向との連動性を強めていて、
必ずしも香港市場の相場全体、
あるいはハンセン指数との連動性は
希薄なものとなってきていますが、
やはり、ハンセン指数が
元気であることに越したことはなく、
香港の利上げについても注目したいところです。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年5月23日(月)

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