第472回
試練の06年に生き残れる企業は二つのパターンに

05年1−6月期のH株、レッドチップ、B株の
統計的な業績とあわせて、
前回ご紹介した中国全体の企業景気感を考えると、
中国の企業業績は上場企業も含めて、
楽観視はできません。
今の状況から考えて、
すでに兆候が見え始めているとはいえ、
05年は何とか持ちこたえたとしても、
06年には悪影響が
より顕在化してくる可能性があります。
それに伴い、上場企業の場合は、総じて弱含み、
株価を下げる企業が続出することも
想定できないではありません。

松花江汚染事故は、
ロシアとの関係もこじれますが、
何よりも環境保護が
経済成長に優先するという意識を
より印象付けるに十分で、
年末にかけてからも続発する炭鉱事故は、
生産における安全性が
改めて強調されることになるでしょう。
前回にも指摘した生産過剰問題も
大きな重荷になることが予想されます。

環境保護も安全性も、
生産過剰問題発生の抑制も、
当然必要なことです。
今後の中国の大きな課題ともいえるでしょう。
しかし、問題はこれらが重視された当初は、
そればかりに集中し、
企業成長とのバランスを欠くケースが
目立つことも十分考えられるということでしょう。
今までやみ雲に企業成長を
追及してきたことに対する反動ともいえます。
それはそれで必要なことですが、
それが市場心理には
大きな動揺を生む要素となるかもしれません。

そうした中でも、好業績を維持、
むしろ成長し続ける企業が、
株価としても勝ち組として
生き残っていくことになるかもしれません。
06年は北京オリンピックまで2年、
まだまだもう少し先のことだと認識されるには
十分な時間で、
むしろ直前となる07年に向けた
調整期間となる可能性が
06年は高いといえます。

そのため、06年には、

1.全体としては企業業績の落ち込みが
  顕著になる可能性がありながらも、
  その全体の趨勢に関わりなく、
  業績好調を維持する企業、

2.厳しい試練の年となる06年を何とか乗り切って、
  それ以降の成長できるよう準備するなど、
  うまく調整できる企業、

これら二つのパターンに分かれ、
それ以外は基本的には
低迷するような構図になるのではないでしょうか。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年12月15日(木)

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