第473回
06年1−12月期決算で既存H株は増収減益の可能性も

前回までに指摘したように、
2006年は中国にとって
試練の年になるかもしれません。
第11次5カ年規画(「十一五」、06−2010年)の
初年度となるとはいえ、
新しい5カ年ガイドラインでは、
従来の5カ年計画と
全く異なる概念が導入されることに伴う
若干の混乱も生じる可能性もあります。

そのため、2005年10月末までに
香港メインボードに77社上場している
H株企業の06年通年業績は、
もしかすると増収とはなっても
減益になる可能性が指摘されています。
その理由としては、
主に石油価格に左右される
(H株は石油・石油化学の大型銘柄がけん引しており、
 売上や利益もかなりの部分、
 このセクターから創出される)
ためともいわれていますが、
私はむしろ、
経済成長の質的転換を図ることによって生じる
マイナス要因も大きいと思っています。

1.外交問題にまで発展している
  松花江汚染事故が生じたことや
  五輪などを見据えた環境保護意識の強化

2.政府があれだけ安全確保を
  強調しているにもかかわらず、
  05年12月になっても合計で
  100人以上の犠牲者が出るような炭鉱事故が
  発生していることに伴う生産の安全面の意識向上

3.ここ数年続いた投資過熱による生産過剰の発生

06年の中国経済をマクロ的に見据える上で、
上記三点は重要なテーマになるはずです。
1と2はむしろそうならなければいけない項目ですが、
例えばそれらを徹底しようとして、
企業成長の阻害要因になる可能性もあることは
前回も指摘しました。

中国本土市場では
非流通株の流通問題がますます加速、
いわゆる「G株」に注目が集まっています。
それはそれで大事ですし、
いずれご紹介したいと思いますが、
そうした市場の動きだけにとどまらず、
やはり大きな流れの中で、
中国株を見極めることも
重要になってくると思います。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年12月16日(金)

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