第479回
中国統計の攻略点:表に出てくる数字の裏を読む

今回のGDP(国内総生産)の
16.8%という上方修正を受けて、
香港や中国本土の株式市場は
それほど大きく反応はしなかったようです。
このことでも、前回ご紹介したとおり
市場は中国の統計を冷静にみているともいえます。

予想では05年、中国はGDP額で
世界第4位になるとも報じられていますが、
これにしても現地ではすでに織り込み済み、
というか、材料にもならないことでしょう。

世界第4位に躍進、
というのはどうもあまり実感なく、
それほど気にしなくても
よいのではないかと思われます。
今回のGDP修正発表においても、
「1人あたりGDPは依然として世界100位以下」
ということも同時に言及し、
高まる可能性のある「中国脅威論」に
釘を指している形です。

あれだけの国土と人口ですので、
総額ベースで中国が
すぐにもGDPの上位ランカーになるのは
当たり前のことです。
以前某大手新聞社が日中両国の若者を対象に
「2020年までに中国のGDPが
 日本を追い抜くと思うかどうか」
というアンケートを行っていましたが、
はっきり言えばナンセンスです。
そうなってもおかしくないですし、
たとえそうなっても、
それで中国の経済的な実力が
日本を上回ったことにならない可能性もあります。

過度にGDP総額を気にすると、
逆に今の及び今後の中国を見誤ります。
私も、取材などに応じる際には
「すでにGDP(特に総額)で
 中国を見ようとするのは古い」
とはっきり言うことがあります。

いまだに日本では中国の成長について、
「GDPが急成長」しているグラフなどを
示したがる風潮があるようですが、
それを鵜呑みにして、
「あー、急成長しているな」と考えることは、
中国をウォッチし、中国株を考える上で、
まさに百害あって一理なし。
GDPグラフは確かに分かりやすいのでしょうが、
もう少し表に出てくる数字の裏を読む工夫
(数字そのものを疑え、
 ということとは少し違います。
 このことは前回説明させていただきました)が
必要だと思われます。

それができれば、
今回のGDP修正では株価が動かなかった、
ということが理解できるでしょうし、
今後の相場判断においても役立ってくるはずです。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年12月26日(月)

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