第503回
怒るべきは靖国ではない、反日デモで非を認めた中国

逆の意味で、
日本が中国の言いなりになっている
(と思われる)事例があります。
靖国参拝に対する中韓の反発に怒る前に、
こうした問題に注目すべきでしょう。
これについては、中国にも問題があるし、
それに対しては私も腹が立ちますが、
冷静になって考えれば、
そのことは中国の外交が
ある意味で成功している、ともいえます。

それは何かといえば、
例えば、05年4月の反日デモで
破壊された領事館の修復(損害賠償)に
中国政府が応じた、というものです。
05年末に日本でも小さく報道されましたが、
いかにも扱いが小さすぎます。
これに応じた、ということは、
反日デモに対して
少なくともわずか一部といえども、
中国が非を認めたということです。

反日デモ
(そのもの、というよりも、中国国民による
 日本の大使館や領事館への攻撃)について、
中国政府は公式的には、一貫して非を認めたり、
謝罪したことはなかったはずです。
修復に応じたことは、
おそらく公式的には
「外交慣例に準じた措置」などと
ごまかすと思いますが、
これは明らかに日本の主張を
一部認めたことにほかなりません。

残念なことに、この報道は
日本では限りなく小さく扱われたに過ぎません。
中国現地では、日本の報道を翻訳して
転載したものがあるかどうかで、
正式には全く報道されていないはずです。
これこそ、外交上から言っても、
私は日本政府はもっと大々的に喧伝すべきだった、
少なくとも有効な外交カードとして
使うべきだったと考えます。

それがあまり周知されなかったのは、
おそらく、というか、
まず間違いなく、このことが
日中間の外交ルートで
隠密裏に処理されたことを
物語っているのではないでしょうか。
日本の通信社は優秀ですから、
この辺りの情報をリークした、
というのが実相でしょう。
中国側がこれを隠したいのは
自国事情から考えて当然で、
日本側も修復に応じてもらうために、
必要以上の譲歩をしたのではないか、
とも邪推できます。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
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2006年1月26日(木)

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