夜の銀座をご存知?・浅川夏樹

酔ったふりして本当のことを

第25回
名刺

銀座のクラブ時代のお客様で退職された方がおります。
在職中はお忙しかった方も
今は旅行や釣といった趣味を満喫されている方も多いです。

いつも不思議に思うのですが、
退職された方はどうして“手作り”の名刺にされるのでしょうか・・

スピード印刷でも1000円台ですぐに作成してくれますが、
色つきの紙にワードで作成したような名刺をお持ちの方ばかりです。
不思議に思い、現職のお客様に尋ねると
「時間はあるけれど、財布からお金をだしたくないのだと思う」
との回答になるほど・・と思いました。

そういえば、某経済新聞も
退職をされた翌日に購読を打切る方が多いとおっしゃっていました。
かろうじて、奥様が日曜版を楽しみにしているので、
購読しているという方のお話も聞いたことがあります。

退職してまで仕事のことを考えたくのか、
これから収入に不安を抱き、
少しでも出費を抑えたいのでしょうか・・

経費は収入を得るための出費といえますので、
退職された方は余計な経費は使いたくないのかもしれませんが、
名刺をいただく側のことは考えていないようです。

今回、お茶屋Bar のオープンに際し、
これまで頂いたお名刺の方達に
ご挨拶状を送付させていただきましたが、数名の方から
「退職をしてから、
案内状をもらうことなんてなかったので嬉しかった」
というご連絡をいただきました。

なかには、
「退職してから年賀状も届かなくなってしまった・・」
という淋しそうな声で電話をいただいたこともあります。

親切な会社であれば、
退職された方へも郵便物を届けてくれるそうですが、
通常は“該当なし”で返送されてきてしまいます。

人との縁は、自分から切るものではないと思っているので、
退職されて年賀状が届かないと嘆いているお客様に

「ご自分から年賀状をだされたらいかがですか?
もしかしたら会社のご住所しか送付先がわからなくて、
ご連絡をとりたいと思っている方がいるかもしれませんよ」
とお伝えすると、
「そんな恥ずかしいことはできない」
と言われました。

わたしが無神経なのかもしれませんが、
人との縁は自分から切らないほうがいいと思っています。

見栄やプライドはコストがかかりますが、
人との縁まで失うことにならないようにしなければと思いました。


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2010年9月7日(火)

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