夜の銀座をご存知?・浅川夏樹

酔ったふりして本当のことを

第48回
女は競ってこそ華

実際に銀座のクラブで働くホステスが
どのように面接で採用されているのか?
というご質問をいただきました。

クラブのオーナー自ら、
街で上品な素人の女性をスカウトし、
立派な売上のホステスに育てていくお店もありますが、
殆どは他店からの移籍です。

夜の銀座では、他のクラブに移籍することは日常茶飯事です。
この点は、日本企業よりも外資系企業に似ているかもしれません。
ホステスは、自分が資本で、
お店は「箱」ですから、
資本が少しでも高い利益を求めて移動するように、
ホステスも少しでも高い歩合やお給料を求めてクラブを移ります。

銀座のクラブは永久指名制度ですので、
他に担当(係)のホステスのお客様に
どんなに気に入られても自分の売上にはなりません。
しかし、お店を移れば、
そうしたお客様の担当になり、売上にすることが可能です。

夜の銀座の街は、
ホステスという資本が移動することによって
活力をあらわすのです。
ホステスが競い合い、高い報酬を得られるのは、
自由に自分でリスクをとることで
競争に参加できるシステムになっている
からです。

銀座の売上のホステスが他店に移籍する場合は、
それまでに勤めていたお店にお客様の売掛金を
全額返済しなければなりません。
1カ月に平均して1000万円の売上があれば、
入金までに約3カ月ほどかかりますので、
2000万円から3000万円近くの金額が必要となります。

お店を移るホステスが、
こうした費用を用意することは不可能ですので、
売掛金の費用は、
次ぎ移るお店が即金で
元のお店に立替えるシステムになっています。

ホステスは次のお店と金銭貸借の契約をします。
このシステムのおかげで
ホステスは自由に他店に移籍することが可能なわけです。

IT業界でも、
ソフトにお金をかけた分だけ収益に反映するといいますが、
銀座のクラブも内装費を豪華にするよりも、
働くホステス次第で売上が大きく異なってしまうのです。

頭角をあらわすホステスは、容姿もさることながら、
自分に絶対の自信を持ち、負けず嫌いの根性があります。

宮尾登美子さんの小説『陽気楼』のように、
「女は競ってこそ華、負けて落ちれば泥」の世界なのです。


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2010年12月7日(火)

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