夜の銀座をご存知?・浅川夏樹

酔ったふりして本当のことを

第85回
個性がなくなった日本企業

先日、お客様がご子息を連れてお店にいらっしゃいました。
「銀座で息子と一緒に飲むのが夢だった」
とおっしゃるお客様は結構いらっしゃいます。

しかし、最近の若い男性はお元気がなく、
お父様であるお客様が気を使って一緒に飲んでいらっしゃいます。
お話を伺うと、ご子息は朝早くから深夜まで働いているそうです。
一番したいことは「寝たい」でした。

夜の銀座でそれなりの期間を働いていると、
以前はお名刺をいただく前に
お客様の業種や企業が雰囲気でわかったものです。
それがこの10年でまったくわからなくなりました。
最初は、自分の勘が鈍ったのだと思いましたが、
最近はそうではないと思うようになりました。

団塊の世代の方から、現在の55歳以上の方は、
個性があり、働いている企業の個性(社風)があるのですが、
今の30代、40代の方は、
企業どころか業種までさっぱりわかりません。

最初に企業で働く方の個性が感じられなくなったのは、
家電メーカーだったかもしれません。
正直、量販店に行っても、どのテレビも同じに思えます。
建築にしても、都心の公団も高級タワーマンションも
遠くからの外見は同じに見えるように、
働く方達も企業の個性が感じられなくなってきています。

40代、50代の前半で、
唯一企業の個性を感じるのは商社や飲料メーカーです。

夜の銀座のクラブでも同じです。
以前は、財界が多いお店のホステスは
上品なタイプの女性が揃っていましたし、
芸能人が多いお店は、豪華な雰囲気の女性が働いていましたが、
最近はどこのクラブでも若い女性はキャバクラのような雰囲気です。
きっとどこのクラブの客層も同じなのでしょう・・

日本は経済大国第2位だったにも関わらず
「世界に追付け、追越せ」と言っていた頃は
仕事も遊びもパワフルでしたが、
仕事への期待やモチベーションの低下とともに
企業の個性も失われていったのかもしれません。

政治家は国会で「世界からどう思われているか」
と新興諸国のような発言をするよりも、
日本が世界で何をできるか(したいのか)といった
前向きな発言をして
若い世代にやる気をもたせてもらいたいものです。


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2011年5月24日(火)

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