夜の銀座をご存知?・浅川夏樹

酔ったふりして本当のことを

第86回
不安を隠せない夜の銀座

夜の銀座は震災後に閉店するクラブが相次ぎました。
お客様は、4月は自粛ムードから始動モードに切り替わり、
5月は人事異動の内示から歓送迎会で賑わっておりましたが、
厳しいのはこれからかもしれません。

この数日、銀座でベテランの黒服の方達が
クラブを終った後にお茶屋BARに顔をだして
今後の不安を語っています。

どの飲食店も
今回の震災と原発による大規模な電力不足は初めてのことなので、
生ものを取扱うお寿司屋さんや和食店は、
お客様に提供する品質に不安を隠せないようです。
既に銀座で人気のテナントビルの空き状況は続き、
新規にクラブをオープンするお店が激減しており、
初めてのことです。

また、電力の供給が不安定な状況ですので
各企業は関西への分社化に動いており、
とりわけIT産業や付帯するコンサルタント業務の会社は
関西のオフィス確保に動いています。

この流れを見ていますと、
都心のオフィスやテナントに投資して分配金の収益を狙うJ-REITは
日銀がどこまで下支えできるのかな・・と思います。

わたしが、今後の不安を抱えている黒服やママ達に
「それなら、接客のノウハウはあるので
関西でお店をオープンさせたらいかがですか?」と伝えると、
「それは無理!」と即答されます。

経営者ならば、
クラブのお客様がこれから関西圏に動くと思うならば、
関西のクラブと資本提携するなど、
東京のビジネスでのリスクヘッジを考えても良さそうなものです。

持家と同じで
飲食店やクラブは簡単にダウンサイズすることができません。
住宅は、持家を所有するよりも賃貸物件に住む最大のメリットは、
生活(収入)に合わせて賃貸のダウンサイズが容易なことです。

「不安はないの?」とよく聞かれますが、
流れがある時は新しいビジネスチャンスも存在します。
銀座で稼いでいるお客様は、
人が遊んでいる時も常にビジネスチャンスを考えて、
行動している方達です。

今、すぐに思いつくことでも、
関西の経営者と資本提携してお店をやる、
東京のオフィスの縮小に合わせて、
事務所可の中古マンションをリノベーションして
SOHOとして賃貸する・・ 色々とあります。 

豪華客船はゆっくり沈みますが、
救命ボートに乗った人が助かるように、
沈むのを待つよりも救命ボートを調達したほうがいいと思います。


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2011年5月28日(土)

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