10才若く見られたかったら・TOMOKO

今日からはじめる、アンチエイジング生活

第14回
過ぎ去ったパレードに手を振る女

何年か前、
ロンドンでアンドリュー・ロイド・ウェーバーの
『サンセット大通り』という新作ミュージカルを観ました。
ハリウッド映画のリメイクで往年の大女優の悲恋を描いたものです。

何しろ、『オペラ座の怪人』『キャッツ』の
ウェーバーの新作ですから期待していたのですが、
全く盛り上がりに欠ける作品で
たちまちのうちに興行打ち切りになってしまいました。

その作品の中で心に残る台詞がありました。
主人公の大女優はもはや容貌も人気も衰え、
世間から忘れ去られた存在なのですが
気位の高さと自意識だけは
絶頂の人気を誇っていたときのままなのです。
こんな彼女を評して誰かが
「過ぎ去ったパレードに手を振る女」と呼ぶのです。
残酷な言い方ですが確かに言いえて妙です。
美人が上手に歳をとるのは本当に難しい、と思います。

ある若い女性は若い頃美人で
男性にモテモテだった自分の母親のことを
「一番自分が男にちやほやされた時代で時が止まっている」
と言いました。
また、ある美人は50代になっても
自分が最ももてていた20代のときの
バッグやアクセサリーを捨てられずにいるのです。

しかし、考えてみればこれはなにも女性だけではありません。
男性だって一度成功してしまうと
時代が変わって以前のビジネスモデルが通用しなくなっているのに
いつまでも過去のビジネスモデルにしがみついて
失敗してしまうのです。
「おれは甲子園に出たんだ。」とか
「おれは○○大学出身だ。」と過去の栄光を忘れられない男性も、
自分が最ももてていた時代で時が止まっている美人と同じです。
男にとっても、女にとっても
過去の栄光や成功体験は
あまりに甘美で強烈であるがゆえに危険なのです。

過去の栄光や成功体験の罠にはまらないためには
過去を捨て去る必要があります。
しかし、人生においては、
いつだって何かを得ることよりも
捨てることのほうがずっと難しいのです。
どちら様も「過ぎ去ったパレードに手を振る女・男」にならぬよう
十分注意いたしましょう。


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2007年10月18日(木)

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