10才若く見られたかったら・TOMOKO

今日からはじめる、アンチエイジング生活

第29回
ゴット・ファーザーな夜

本物のマフィア二人組を見たことがあります。
場所はベネツィアの『ハリーズ・バー』というレストランです。
このレストランは
かの文豪ヘミングウェイが愛したことで知られています。

ヘミングウェイは第二次大戦後、
従軍記者としてイタリア入りしてこのレストランを知ったのです。
元祖ハード・ボイルド作家は意外と洗練された男だったのですね。

さて、マフィアです。
「そもそも、どうして二人がマフィアだとわかるんだ?」
という疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょう。
心配はご無用。
そのときの二人のいでたちは・・
ソフト帽子、肩からかけたトレンチコート、
首には純白のシルクマフラー、ダブルのスーツ、
そして夜なのになぜか濃いサングラス。

しかも、ディナーの最中にも
肩からかけたトレンチ、マフラー、サングラスははずさないのです。
そして、何よりも顔が怖い!怖すぎるっ!
本当にビビりました。

しかし、
どうしてあんなにベタで分かりやすいファッションなんでしょうか?
どこから見ても、マフィア以外の何者にも見えないのです。
もっとも、あのド迫力顔では、
たとえ全身ブルックス・ブラザーズでキメていたとしても
カタギには到底見えないと思いますが・・・。

映画『ゴット・ファーザー』では
マフィアの親分が二人で食事をしているレストランの戸口に
マシンガンを持った刺客が現れ、
他の客もろとも、雨のように銃弾を浴びせかけるのです。
血に染まった純白のナプキンをつかんで息絶える親分、
巻き添えになって死んだ客たちの亡骸、
バックにはニノ・ロータの哀切な音楽が・・。

ちょうど、私の正面に戸口があったために
食事中何度も刺客が現れないかチェックを入れてしまいました。
この夜のコースで出た、
ほうれん草のラビオリとチョコレートケーキは
感動的なおいしさだったのですが、
ふと目を上げるとコワモテのお2人のお姿が・・。

もう、おいしいけど怖い、怖いけどおいしい。
そんな複雑なベネツィアの夜だったのです。


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2007年11月22日(木)

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