第31回
げに恐ろしきは女の口コミ

ハリウッドの黒人映画監督スパイク・リーの映画に
『ジャングル・フィーバー』というのがあります。
主人公の妻子ある黒人男性が
同じオフィスの女性と不倫の関係になります。

彼は自分の仲間に不倫を打ち明け、
「いいか、絶対誰にも言うなよ。」と口止めします。
しかし、数日後、彼の不倫は妻の知るところとなってしまいます。
あわてた主人公は再び仲間を呼び集めます。

「ごめん。女房になら言っても大丈夫だと思ったんだよ。」
仲間の告白に主人公は叫びます。
「バカ！すべての女は秘密の地下情報網で結ばれているんだぞ！
知らないのか！」

そうです。すべての女は
「秘密の地下情報網」で結ばれているのです。
げに恐ろしきは女の口コミです。
たとえば、私の美容師さんは、
そもそも私の親友の妹さんのお友達の美容師さんだった方なのです。

そのお友達が親友の妹さんに
「あの美容師さんいいわよ。」と紹介して、
妹さんが通うようになり、
自分の姉（つまり私の親友）に薦めたので
親友も同じ人のところへ通うようになりました。
私が美容院を探しているとき
親友がその方を紹介くれたので
私も親友と同じ美容院の客になりました。
私は二人の同僚にこの美容師さんを紹介しました。

女はいい情報をつかむと黙っていることができません。
すぐに友達に教えたくなります。
友達は自分がそれを試してみて納得すると、
さらにその友達に教えたくなります。
その友達はさらに・・・、と続いてゆくのです。

しかし、逆もまた真なり、です。
一人の女を怒らせれば、
女は怒りを内に秘めていることができませんから、
「ちょっと！聞いてよ！」と友達に訴えます。
その友達はさらに、
「ねぇ、聞いた？」とその友達に情報を流します。

一人の女を感激させれば、その周囲の５人の女を感激させます。
一人の女を怒らせれば、その周囲の女５人を敵にまわします。
商売においても、職場においても、
すべからく男はこのことを肝に銘じていなくてはならないのです。