10才若く見られたかったら・TOMOKO

今日からはじめる、アンチエイジング生活

第78回
二人のクィーン (その1)

『エリザベス―ゴールデン・エイジ』という映画を観てきました。
エリザベス1世の中年期を描いた映画ですが
2時間の長さで16世紀のヨーロッパにおける
スコットランド・スペインのカトリック勢力と英国との確執やら
エリザベス1世の父ヘンリー8世のことやら、
が出てくるのですから
歴史を知らないと何のことやらわかりません。

スペイン王がエリザベス1世のことを何度も
「妾腹の女」と罵る場面があるのですが
事情を知らないと意味不明です。
エリザベスの父親であるヘンリー8世は
生涯に6人の妻を娶りましたが、
その6人のうち2人は離婚、2人は処刑され、1人は死亡、
1人は夫より長生きしました。

ヘンリーの最初の妻は
スペイン王女「キャサリン・オブ・アラゴン」です。
最初はヘンリーの兄の妻だったのですが
兄が亡くなったあとヘンリーの妻になります。
しかし、彼は宮廷の侍女アン・ブーリンと恋に落ち、
結婚するためにキャサリンとの結婚は無効であると宣言します。
キャサリンは兄の未亡人であって自分とは結婚していない、
というむちゃくちゃな主張です。

もちろん、この主張はローマ法王からは認められません。
このアンとヘンリーの間に生まれたのが
映画の主人公エリザベス1世です。
しかし、ローマ法王はこの結婚を認めていませんから
(キリスト教国では世継ぎは
あくまでも正式な夫婦の間に生まれていなければならないのですが、
正式の結婚には教会の承認がいるのです。)
カトリック国スペインから見ればアンは妾に過ぎず、
その子供のエリザベスには王位継承権がない、
ということになります。

しかし、ヘンリーはアンの次に
ジェーン・シーモアという女性を3番目の妻にするために
邪魔になったアンに不倫と謀反の濡れ衣を着せて
首を切ってしまいます。
映画の中でエリザベスが
「私の父は私の母を処刑した。」と言うのは
このことを指しています。
たった2時間の中に英国史がてんこ盛りなのですから
やはり歴史映画は難しい!


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2008年3月15日(土)

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