10才若く見られたかったら・TOMOKO

今日からはじめる、アンチエイジング生活

第142回
孫子の兵法

何年か前、アメリカの大手証券会社に勤めていた友人が
米国の有名大学でMBA(経営学修士号)を取得した同僚に
アメリカのビジネス・スクール(経営大学院)では
どんな勉強をするのか尋ねたのだそうです。
「孫子の兵法を読むんだよ。」というのが同僚の答えでした。
「孫子の兵法を絶対読むべし!」というメールを彼女からもらって
私も本屋に走って
岩波文庫の『孫子』を買ってきました。

いや、孫子はすごい!
どうしてこんな素晴らしい本が
高校の漢文の授業で取り上げられないのでしょうか?
第一行目を読んでぶっ飛びました。
「戦争はするな。なんとならば戦争はお金がかかる。
戦争にお金を使うと国が滅びる。
戦わずして勝つのが最高の勝ち方である。」
というような趣旨なのです。
だいたい、兵法というのは戦争の仕方なのに、
その最初が非戦論で始まるというのがすごい。

さらに、
「どうしても戦争をしなければならないときには、先祖の墓に行き、
墓の前で戦争によって得られるものと失うものを数えて、
失われるものよりも得られるものが多いとき戦争をすべし。」
と続きます。
ブッシュ大統領がイラク侵攻の前に先祖の墓に行き、
お墓の前で
この戦争によって得られるもの(何もなし)と
失われるもの(莫大な戦費と尊い人命)を数えなかったのは
残念なことでした。

数年前イギリス旅行中に本屋で
孫子の兵法をビジネスに応用した本が
ベストセラー入りしているのを見ましたが
欧米のビジネス界における孫子の地位は不動のようです。
確かに孫子の持つ感情を排した徹底的合理性というのは
お金儲けに適しているのでしょう。

「白い猫でも黒い猫でもネズミを獲る猫が良い猫だ。」
というケ小平の言葉にも
孫子と通じる合理性があります。
最近思うことは
日本人のお金儲けが下手なのは(あくまで一般論ですが)
日本人はとても情緒的なので
お金と感情を分離して
合理性に徹して物事を考えることが苦手なせいではないか、
ということです。


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2008年8月14日(木)

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