第148回
最強のリスクヘッジ

友人がリストラされて以来
「今の世の中何があるかわからない」と思うようになりました。
サブプライム問題に端を発した景気の落ち込みに加え、
食料品の値上がり、と生活が厳しくなる上に職まで失っては
たまったものではありません。

こんな時代にどうやって自分の生活を防衛するかについて
つくづく考えました。
そして、リスクヘッジは自分自身だ、という結論に到達しました。
「稼げる私」を作り上げ、維持することこそが
この時代における最強の生活防衛戦略です。

自分の人生を振り返ってみると日本株・中国株・不動産と、
どれも少しずつやってみましたが
結局、最も成功した投資は自分自身に対する投資でした。
私は大学院に二度も行っていますので
（一度目は英文学で、二度目は英語教授法で修士号。）
勉強に費やした学費や時間・労力は
普通の人よりかなり多いのではないかと思います。

しかし、
現在の職場に採用されたのは大学院を出ていたからでした。
その10年後、今度はアメリカの大学で修士号を取ることになります。
１コース18万円で10コース30単位の授業を取りましたが
交通費や教科書代を入れると200万円以上のお金がかかりました。

大学院終了後、たまたま以前から知り合いだった編集者が
「修士号を取ったのだから何か書いてみませんか？」
と声をかけてくださり
通信添削の雑誌に
小さな英会話のコラムを持たせていただくことになりました。
まさかそんなことが
何か将来につながるとは夢にも思いませんでしたが、
以来十数年間
英語に関する原稿を書くようになり
何冊かの本を出すまでになりました。

原稿料など安いものですがしかし、
投資した200万円はかなり前に回収し、
それ以上の原稿料を稼いでいますので
この投資は大成功といえるでしょう。
絶えず勉強して稼げるスキルや知識を身につけ、
病気にならないために体を鍛える
（病気で休職すれば貯金は底をつきます）、
これこそ現代最強のリスクヘッジと言えそうです。