日中を股に賭けるビジネスマン・千葉鴻儀さんが見た光と影

第4回
中国の公共事業

先週、新しい環境技術を応用した
北海道留萌市を訪ねました。
ゴミを燃やすことによりエネルギー源とする
いわゆるサーマルリサイクル手法ではなく、
高圧と高温水蒸気で下水道汚泥や一般生活混合ゴミを
パウダー状に分解し
肥料や補助燃料にするマテリアルリサイクル手法です。

技術はシンプルですが、
焼却によるダイオキシンやCO2の発生を完全に抑え
且つ処理に使うエネルギーを大幅にカットする
画期的なものだそうです。
発案者は神奈川県出身の方で
技術の開発に協力したのは地元の建設会社だそうです。
関係者のお話によれば、
北海道の建設業者は殆ど公共事業に頼っているので、
ここ数年、公共工事は年々減っており、
売上はピーク時の4分の1になったとのことです。

一方、中国は60年代の日本のごとく公共事業に沸いています。
普通道路、高速道路、発電所、通信インフラなどから
ガス供給インフラ、水処理、オペラ劇場などまで
中国のどこに行っても建設ラッシュです。
特にオリンピックを目前とする北京は
2000億ドルを投入し都市の大改造を進めております。
その中で多方面に及ぶインフラ整備が進められることになりますが、
特に、交通システムについては、
高速道路を従来3倍の700キロまでに延長することや、
地下鉄網をほぼ倍増の約100キロまで拡充し、
2万台に及ぶ公共バスを環境保護型バスに改造するなどがあります。

つい1週間前に東京で
長年の友人で北京エンタープライズホールディング
(香港レッドチップ株、銘柄コード0392)総裁の
張虹海氏に会いました。
同社は北京市政府傘下の企業で高速道路などの公共事業、
IT事業からビール工場、
百貨店やホテルまで展開するコングロマリット企業ですが、
最近の状況を聞きましたら、
高速道路、都市ガス、下水処理やゴミ処理などの
環境事業に集中すべく
既に旅行関係や小売業関係の事業分離を始めているそうです。
インフラ整備が必要な中国には
これからも公共事業に莫大な資金が注がれることが明らかであり、
公共事業に深く関わる業界や会社には
大きなビジネスチャンスになるに違いありません。
中国株の銘柄を選択するときに
公共事業に注力し利益を上げている会社を注目したら、
いかがでしょうか。


←前回記事へ

2006年4月14日(金)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ