日中を股に賭けるビジネスマン・千葉鴻儀さんが見た光と影

第5回
無秩序と秩序の町

久しぶりに深セン経由で香港にわたることにしました。
深センと香港の間に
24時間通関できる皇崗出入国検査所があります。
平日なのに皇崗出入国検査所は
出国する中国人観光客や香港人、外国人で賑わっていました。
決して広くない出入国検査ロビーは見渡す限り、人、人、又人です。
通勤するような格好をしている香港人、
香港側の幼稚園を通う香港人の子供の隊列、
明らかに内陸部からの観光団体客、
出稼ぎに行くような格好をしている中国の若者、
日本人や韓国人又白人やアラブ人のビジネス客・・・
実に様々な人達が混じっており、
様々な国の言葉が飛び交わされていました。

特にうるさかったのは検査ロビーの入り口当たりでした。
香港へのバスやリムジンの客引きたちは
大声を出して客引き合戦をしていました。
このような無秩序の風景が意外にも胸騒ぎを引き起こされ、
強いエネルギーを感じてしまいます。
皇崗出入国検査所は3年前から24時間通関できるようになった。
一日最高の出入り客の数は20万人を超すといわれています。
一方、中国から出国し、香港側の出入国検査所に入ると、
民間の警備員が出入国のお客さんの交通整理をしており、
みんながそれに従って秩序良く整列し
手続きが着々と済まされて行きました。
今までの雑踏が嘘のように消えてしまい
別世界に入ったような感じでした。
周りの人々を見ると、みんな安堵した表情に変わりました。
僕もほっとしましたが、
と同時に、なんだか寂しく感じました。
今までの雑踏から生まれた一種の活気と
胸騒ぎが感じられなくなったのです。

成熟した町は殆どのものが整備されているから、
秩序がよくできており、居心地がいいというのは当然です。
発展途上の町はハードとソフトの両面が整備されていないので、
無秩序で不便を感じてしまうのも無理はない。
これを投資の観点に置き換えると、どうなるでしょう。
無秩序の町は秩序を作るため、
どんどん投資をしなければなりませんので、
至る所に投資するチャンスに溢れる一方、リスクが付きまといます。
秩序のよい町が成長しきっていますので、
次の投資の目標を見つけるのが至難の業ですが、
リスクは相対的に低いです。
無秩序をチャンスとみるか、リスクと見るか。
あなたならどうしますか。


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2006年4月18日(火)

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