日中を股に賭けるビジネスマン・千葉鴻儀さんが見た光と影

第6回
香港・深センのインフラと不動産

知人が2001年に上海浦東金融開発区内で購入した
平米当たり15,000人民元(約210,000日本円)の
高級マンションは
2004年12月頃には
平米当たり32,000人民元(約450,000日本円)になりました。

固定資産投資の急拡大は原材料の急騰をもたらし、
中国経済、特に上海の不動産は
バブルの様相を呈していると国内外で指摘されました。
昨年4月あたりから
上海を始めとする不動産の高騰を抑えるために
中央政府は異例の措置を出しました。
基準は地方により違いますが、
大まかに新規取得した分譲マンションに対し
2年以内転売した場合、個人に対しても売上税5%を徴収し、
面積144平米以上のマンションに対し
更に印紙税を普通の住宅より倍ぐらいの
3%徴収するという措置でした。
そのほか、銀行の不動産貸付も圧縮されることとなりました。

これを受けて2005年夏以降は
上海や杭州の不動産取引量は急速に萎縮し
価格は10%以上下がりました。
一時過熱の中国不動産市場が氷河期を迎えるかに見えます。

ところが深センの不動産は
中央政府のマクロコントロール目標に逆行し
2005年の上昇率は30%を越しました。
2006年に入っても不動産の高騰が衰えを見せず、
一部のエリアは40%も上昇しました。
この予想外の事実に同じ中国なのにと
深セン住民でさえ誰も予想しなかったようです。

原因を探ってみると、
香港・深セン間のインフラ整備と不動産価格と
深い関わりがあったことが分かりました。
前回のコラムに書いたように
香港・深センの間に24時間の通関ができるようになりました。
今年に入ってから電車の線路の増加や
香港・深センの海峡大橋の完工を目前に
香港・深センの行き来が更に便利となるに違いありません。
現在、深セン籍の人口は181万人に過ぎないが、
居住人口や外来人口を入れると1200万人となっています。
香港の九龍から深セン市内までは40分位で
東京と横浜のような感じです。
深センのマンションの価格は高いと言っても
まだ香港の5分の1に過ぎないことを考えれば
まだまだ上昇の空間があると思われます。

深センの不動産といえば、
日本の中国株投資家にお馴染みの
万科企業(深センB、200002)は正に本社を深センに構えており、
香港に隣接している不動産関係の
直接の受益者になるのではありませんか。


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2006年4月21日(金)

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