日中を股に賭けるビジネスマン・千葉鴻儀さんが見た光と影

第8回
元高収益を狙え

人民元は本当に過小評価されたか、
どれくらい過小評価されたか、
即ちどれくらい値上げすべきか、
議論は様々です。
人民元の過小評価に異議を唱える専門家はほとんどいませんが、
どれくらい過小評価されたかについては
5%から65%までと意見が大きく違います。
ここでは学者のような議論をやめておきましょう。
人民元高は時間の問題であり明らかな事実である以上、
人民元高はどういうシナリオで進行するか、
どう資産作りに活用するかを考えるべきだと思います。

昨年の元高容認以来、
米ドルに対し人民元のレートは極めて狭いレンジで変動しています。
直近では1米ドル対人民元のレートは8.01で
約3.5%の元高となりました。
先月、中国の外貨準備は8000億米ドル超となり、
ついに今まで世界一の外貨準備を誇る日本を追い越しました。
元高を抑えるために
米ドルを積極的に買った結果といわれていますが、
旺盛な海外輸出に支えられているメカニズムを
看過すべきではありません。
中国は競争力のある製品を輸出し続ける限り、
外貨稼ぎは増え続けるでしょう。
中国政府は近年、内需経済の発展に力を入れていますが、
経済振興や雇用確保には輸出貿易はまだまだ重要な柱です。
となると、元高は急速に進むことはないでしょう。
中国経済の発展のバランスと相まって、元高は逐次に進行し、
5〜10年間のスパンで中国経済の強さと安定さを確認しながら
実勢相場に近づいていくと思われます。

元高のメリットを享受するための投資手法として
人民元貯金、中国株式投資、中国不動産投資などがあります。
人民元貯金は、中国の銀行に自分名義の口座を作り
日本円を人民元に変えて入れるだけなので、
素人には一番簡単にできるものでしょう。
中国株式投資はQFII
(人民元建て中国株式に投資できる適格の機関投資家ファンド、
大和や日興そして野村は資格を持っている)、
B株、香港H株があります。
不動産投資は個人名義での直接投資や
投資ファンド経由での投資があります。
更に言うと、中国に現地法人を持ち
中国マーケットで元収入を上げている会社も投資対象となります。
いずれにせよ、中国投資は漢方薬と思ってください。
3〜5年間の中期投資の観点で急がず慌てず熟慮し
ゆっくりと育てましょう。
将来、きっと大きな楽しみが待っているに違いありません。


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2006年4月28日(金)

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