日中を股に賭けるビジネスマン・千葉鴻儀さんが見た光と影

第14回
いい加減かそれとも柔軟性があると理解すべきか

うちの子を上海のローカルスクールで勉強させようと
前から決めており、
上の子がいよいよ小学校の年齢になりましたので、
上海への移住計画を早速行動に移しました。
いざ手続きをするとなると、結構面倒くさいものがあります。
僕は日本国籍を取得していますので、
上海に住むには外国人就労ビザを取らなければなりませんし、
又外国人居住証明も取らなければなりません。
就労ビザは公安局で、居住証明は人事局で
それぞれ手続きを行わなければないとなっています。

これらの手続きを済ませるには、普通最低2週間以上かかります。
僕は中国に行くたびに大抵いくつかの場所を回ってきますから、
なかなか上海で2週以上の滞在時間を取る事ができません。
そうやっているうちに、入学手続きの日が迫ってきました。
もうこれ以上のん気でいられない!と、
家内からお叱りを受けて
慌てて一家を連れて上海に飛び立ちました。
ミッションは1週間ぐらいで上海の居住証明を取ることでした。

午前中の便で上海に着いたら、
休むことなくその足である総合病院に直行しました。
居住証明を取るには
中国の病院の健康証明を取らなければならないからです。
健康証明は普通三日間かかります。
さあ、ここから交渉です。
受付のお嬢さんに丁寧に事情を説明したら、
なんとかやってみるが、血液検査や尿検査などがあるから、
検査窓口にも話をしてくれと言われました。
すぐ検査窓口のお嬢さんにも交渉を持ちかけました。
検査は順番があるし、結果は少なくとも一日かかると断れました。
ここで簡単にあきらめず半年前の健康診断結果を出して、
今の状況が変わっていないから、
半年前の検査結果で書類を作成してくださいと根気よく頼んだら、
最終的に首を縦に振ってくれました。

健康証明を手に翌日人事局に出かけました。
ここも一大交渉が待っていました。
居住証明を取るには通常2週間かかるからです。
1週間以内に短縮してくださいと窓口担当にいくら頼んでも
一歩も譲ってくれなかったので、
上司の方と話をさせてくださいと最後の手段に出ました。
上司の方に入学手続きの締め切りがあることと
仕事の事情をよく説明し、特別対応してくださいと懇願したら、
許可をいただきました。
結局、2週間以上かかる手続きを7日間で済ませました。

以上の実話は、中国でよく起こっている話です。
いい加減と理解すべきか、柔軟性があると理解すべきか、
立場により見方は様々です。
中国ビジネスにこうした良い面と悪い面を持ち合わせていることを
理解するのは重要ではないでしょうか。


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2006年5月26日(金)

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