日中を股に賭けるビジネスマン・千葉鴻儀さんが見た光と影

第24回
中国ビジネスは中国の地域性を理解することから

大昔のことですが、日本で知り合ったアメリカ人に
「あなたはアメリカ人らしいアメリカ人ですね。」
といったら、
「アメリカ人ってなに?」
と言い返されて答えに窮したことがあります。
アメリカ人といえば、イギリス系もいれば、フランス系もいるし、
更にスペイン系、メキシコ系、イタリア系、
アジア系、アフリカ系などがいます。
アメリカ人にはいろんな顔がいて、
いろんな違う文化と習慣の人種の集合体であることをつい忘れて
主観的なイメージを先行させた
自分のバカバカしさに恥を覚えました。

中国関連ビジネスのコンサルティングの仕事をやっていると、
様々なお客さんが相談に来ます。
大抵「中国の会社は。。。」、「中国人が。。。」
と切り出してきます。
「中国のどこの会社ですか。」、「どこの中国人ですか。」
と、僕は必ず聞き直します。
中国人は漢民族を含め56の民族からなっております。
漢民族は全人口の95%を占めており、
100万人口を超える少数民族は18もいます。
そのうち、回族、朝鮮族、蔵族、荘族、
モンゴル族、満族、ウイグル族などが
いずれも数百万から千万人口を超すまでの人口を擁しています。
漢民族は同じ民族とはいえ、
地方により食習慣、生活習慣、方言などがそれぞれ違います。
今は、さすがに若い人達が
みんな標準語の北京語をしゃべれるようになり
お互いに通じるようになっていますが、
70代、80代以上の地方の年寄りのほとんどは
標準語がしゃべれません。
昔の言い伝えでは「南の娘は北の男に嫁ぐな」があります。
差別の意味ではなく、これだけ言葉も違うし、生活習慣も違うと、
一緒に生活すると必ず苦労するという意味で
若い男女に戒めているそうです。

日本みたいに中国でも最近、
学閥が力を持つようになってきましたが、
まだまだ「同郷」閥の力に及びません。
国内だけではなく、
海外でも各地方の同郷会がお互いに幅を利かせています。
同じ地方の出身だから、お互いに理解しあいやすい面があるから、
助け合いたいという絆的な部分があろうと思います。
昔から「同郷」閥は中国の軍と政治を牛耳っていました。
同じ漢民族でもそれぞれ地方により言葉、食習慣、生活習慣が違い、
もちろんものの考え方、人の接し方、性格など、
全てが違ってくるわけです。
中国人だからと言って同じ接し方で対応すると、
失敗の元になります。

昔、「中国は一つの国ではない」と言われ、
反発したことがありますが、
実際に自分で中国の各地を回り、
南から北まで人々と接しているうちに、
中国人が地方により本当に違う!と実感しました。
中国の地域性を知らないままでは
中国ビジネスは危ういと言っても過言ではありません。
たまたま各地方の中国人の特徴に関する本を見つけましたので、
僕の実体験も交えながら
各地の中国人を次回以降から紹介していきたいと思います。


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2006年6月30日(金)

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