日中を股に賭けるビジネスマン・千葉鴻儀さんが見た光と影

第34回
東北人

中国東北はいわゆる旧満州、
即ち遼寧省、吉林省、黒竜江省を指します。
20世紀初頭、東北地方には山賊が横行し、
「三人に一人は山賊」と言われたほどです。
歴史的地域的な理由もあり、
東北人は豪快である一方、荒っぽい性格を持っています。
打算はしない一方、面子を命より重んじるところがあります。

「お酒を飲めなければ、東北へ商売に行くな」
という言い伝えがあります。
東北でお客さんに「大酒と大皿料理」でもてなすのは
最高の接待とされています。
商売の話をする前にお客さんにお酒を酔うまで飲んでもらい、
ご飯をおなか一杯まで食べてもらわないと、
東北人は気がすまないです。
本当に満足したのはお客さんなのか、当の本人なのか、
分かるのは当事者だけでしょう。
もちろん、
東北人はそんな些細なことにはちっとも気をしていません。
お酒を飲む、食事をする。
これらは東北で商売をする基本です。
これは単なる飲み食いではありません。
どこまで付き合ってくれるかを試す手段でもあります。
ですから、東北では
飲み具合によって商売が決まることはしばしばあります。

中国人はみんな「面子」を大事にしていますが、
東北人は南の人と違い、
面子のためなら実利を捨てても構わないのです。
南の商売人は儲かれば儲かるほど黙っておきますが、
東北商人はちょっとした利益でもほら吹きをしたがります。
金があるとき、ブランド品を買いまくり、
金のないときは、あそこの高級レストランに行ったとか、
こういうブランド品を持っていたとかを自慢します。
重労働や質素な仕事を嫌がりがちで、花形の仕事をしたがります。
買い物をするときは外国製や香港製、上海製のものであれば、
何でも良いとし、地元の製品を買いたがりません。
こうした東北人の見栄張りの消費志向を利用して
東北で成功している南の商売人が数少なくありません。

性格の荒っぽい東北人は話が合わなければ、
すぐ手を出すと言われています。
事実上、傷害事件や凶悪事件の発生率は確かに南より高いです。
「女心、秋空」と言われていますが、
そのまま「東北人心、秋空」と言えます。
東北人は感情の激しい人種です。
喜べば、なんでもよし。怒れば、刀を抜く。
くれぐれも東北人と喧嘩しないように気をつけたいですね。


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2006年8月4日(金)

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