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第63回
湖北人
中国人の中で湖南人は個性の強い人種と思われますが、
事実上、湖北人の個性は湖南人よりずっと強いです。
率直な性格の持ち主の湖南人と違い、湖北人は奥深いです。
湖北人は北方民族のような野性的な豪快さがありませんが、
負けず嫌い点においては北方人にちっとも負けません。
また江南人（主に江蘇、浙江出身の人を指す）のような
根性はありませんが、
勝負が決まるまで諦めない忍耐力は江南人以上です。
広東省への出稼ぎ労働者の中で一番出世したのは湖北人です。
ある統計によれば１ワーカーから責任者に出世した人の中で
湖北出身は53％も占めます。
湖北人は負けず嫌い性格が現代史からも証明することができます。
中国共産党の革命歴史上、一番苦しかった時でも
赤軍の中の湖北省出身の将校は数百にも上ります。
中国革命のリーダで元帥である
董必武、林彪、李先念、劉華清はいずれも湖北人です。
南方人は商人しか向かないし、
北方人は征服者しか向かないと言われていますが、
湖北人は両方の素質を持っているといえるでしょう。
湖北人のリーダシップは言うまでもありませんが、
ビジネスセンスのよさも人並ではありません。
湖北省は従来から全国の重要な物流センターです。
優れた地理条件を生かした湖北商人の頭の回転は誰よりも速いです。
売れるものであれば、すぐ真似して作り、
半値以下の価格で売りさばくのは得意のようです。
湖北省は一時海賊版の天国にもなりました。
頭の回転のよさは湖北人をミスリードしたようです。
頭のいい湖北人はリスクを見通すためか、
率先して物事を進める勇気が足らないみたいです。
広東人は「上に政策あり、下に対策あり」、
「赤信号でも曲がって通れ」
でこの手あの手で地方経済の発展のために奔走していた時、
湖北人は手を捏ねてなかなか一歩を踏み出すことができません。
これは近年、湖北省経済が
ほかの地方より立ち遅れている理由の一つと見られています。
湖北は昔、楚文化の発祥の地です。
楚文化の特徴の一つは鬼神崇拝です。
湖北商人はある意味で広東人よりも迷信深いです。
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