日中を股に賭けるビジネスマン・千葉鴻儀さんが見た光と影

第65回
雲南人

雲南高原に生活する雲南人は
昔から厳しい生活環境に直面しなければなりませんので、
勤勉、素朴と節約の性格特徴を持っています。
物へのこだわりが少なく自然との調和を大事にします。
このような勤勉と素朴の気質が単なる習慣ではなく、
内的な価値観を形成させています。
雲南人は衣食住へのこだわりや派手な生活を
軽薄な行為と見る向きがあります。

雲南人は虚名を貪らず実務に没頭し勤勉を尊います。
雲南人の中に怠け者は少ないです。
従って雲南商人にはずる賢い人があまりいません。
多くの雲南商人は誠実で純朴です。
現代になっても一部の取引マーケットは
相変わらず実の価格を出しており、価格交渉は殆ど要りません。
もちろん買い手によって
価格をごろごろと変えることも見られません。
80年代の頃、広東人は
100元の商品に800元や1000元の値札をつけた上で
「5割引します」と売買に出します。
顧客から「もうすこし安くしてください」と言われる時、
広東人は口では
「儲からないな。そこまで買いたいなら、しょうがない、
大出血サービスだよ」と言いながら、
心の中に喜んで取引を成立させます。
一方、雲南省のマーケットには
「大出血サービス」や「割引します」のような看板を出す店は
殆ど見られません。

雲南人は誠実商売しかできないようです。
雲南省まで商売にくる外地人が
雲南人にだまされることは聞かれませんが、
外地で騙され失敗した雲南商人は少なくありません。
長年の高原生活のせいか、
外部からの影響が少なく、比べる対象も乏しいので、
どんなに貧しくても雲南人は現状に満足しやすいです。
不平不満を言わず、ただひたすらに一所懸命働き、
淡白な生活を送っています。
雲南人は束縛を嫌い、自由自在の生き方が好きです。
完ぺき主義者ではない雲南人は大雑把で気ままのところがあります。
商売のために生き方を曲げるようなことはしません。
言い換えれば、生き方を変えてまで儲けたくないのです。
多少お金が入れば、満足してしまいます。
「目の前に金があっても拾わない」雲南人は、
上海人や広東人、また江蘇人とまったく違い、
金銭欲と物欲は淡白です。
従って巨万の富を築いた雲南商人のサクセスストーリーは
あまり聞いたことはありません。


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2006年12月1日(金)

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