日中を股に賭けるビジネスマン・千葉鴻儀さんが見た光と影

第67回
海南人

海南島は中国最南端の島です。
東洋の「ハワイ」と言われています。
熱帯雨林気候に恵まれており、物産豊富なところです。
海南人は働かなくても食べるものに困ることはありません。
海南人の特徴を言えば、
「自由放漫」、「のんびり」という言葉が出てきます。
長年大陸から隔離されたせいか、
海南人は海に面していながらも、外部からの文明の影響が少なく、
島国独特の保守的な一面を持っています。
海南人は貧乏生活に耐えられても
仕事の苦労に耐えることができません。
自ら努力して生活を改善したがらず、
他人の助けを待とうとしています。
こういう実話があります。
山地に住んでいる貧しい村民の生活を改善させるために、
政府は村民に魚の養殖業を提案し魚の雛を一杯提供しました。
ところが、いつの間にか魚の雛は酒の肴となってしまったそうです。

海南島は経済特区ですが、
いまでも農業型の経済特区であり、
しかも地元の熱帯農園の経営者は
殆ど台湾、香港などの外来者で地元出身の経営者はあまりいません。
海南人は実業に向かないみたいです。
海南島経済大開発の中で
海南人は盛んにやったのは土地の投機でした。
如何に苦労しないで金儲けをするかという風潮は
海南商人を
目先のことしか考えないように仕向けるようになりました。
海南商人は
ビジネスマンよりもギャンブラーに近いという定評があります。
利益のために政治的な投機もいとわないが、
確実に積み重ねて事業を拡大するよりも、
「一攫千金」を狙っていく傾向が強いです。

海南では日夜お茶ショップでマージャンをしたり、
お茶を味わったり、
またギャンブルや快楽に走ってしまうのをよく見かけます。
一旦お金が入れば、海南人はすぐ楽になりたがります。
将来の発展に関しては将来考えればいいと思っているようです。
歴史上、孤島である海南島に生活する海南人は
家族主義を重んじています。
先祖への崇拝は人並みではありません。
「海南人は未来に関してあまり興味はなく、
現在に対していい加減だが、
過去に関しては特別な郷愁を持っている」
と評されています。


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2006年12月8日(金)

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