日中を股に賭けるビジネスマン・千葉鴻儀さんが見た光と影

第73回
2007年の中国株式市場と投資チャンス

年の瀬はいつも慌ただしくやってきてまた、
あっという間に去ってゆきます。
瞬くうちに新しい一年は目前に迫ってきています。
2006年はどんな一年だったのか、
また2007は皆さんにとってどんな一年になるでしょうか。
行く年への名残惜しくも
来る年への期待も人それぞれ抱いているでしょう。

中国株式市場は2005年10月から底を打って
成長を謳歌する2006年を迎えました。
株式総合指数は歴史的高値を記録し、
中国マクロ経済の持続発展、資本市場の活性化の増強に伴い、
証券市場制度の改革は大きな成功を収めました。
2006年を起点に中国株式市場は黄金の時代に邁進しました。
人民元高、上場企業の良好な業績、豊富な資金の流入は
投資家に数多くの投資チャンスをもたらしました。

それでは、2007年にはホットなセグメントはどこになるでしょうか。
中国経済の空前的な発展の下で
すべての分野に成長のチャンスがあり、
投資のチャンスがあるといえるでしょうが、
あえて2007年の成長エンジンはどの分野かというと、
消費分野を挙げることができます。
市民の富の蓄積がある程度のレベルに達せば、
プライベートバンキング、自動車、不動産、ブランド品、贅沢品、
または医療、教育、通信、娯楽に
消費志向をシフトするようになります。
これらの消費欲求はますます加速する傾向にあります。
この2週間の個別銘柄の動きを見れば、
醸造食品、ドリンク、医薬、旅行、小売などの銘柄は
目立った上昇を見せてくれました。
消費関連銘柄はホットマネー物色の対象となる表れです。
消費関連銘柄は2007年相場を押し上げる
主エンジンになる可能性が高いと考えられます。

消費を刺激し内需を拡大する中国政府の強い政策志向の下で
未来数年間にわたり消費関連業界は
国内消費意欲の上昇に恵まれることになるに違いありません。
近く召集された中央経済工作会議で
「投資と消費、内需と外需のバランスを取らせるためには、
国内消費を拡大させることがキーである。」と指摘されました。
ある投資顧問会社の専門家は、
「大相場の形成されには必ず政策背景がある。
一人当たりのGDPは1000米ドルを超えれば、
消費が爆発的に成長する段階に入ることを考えれば、
2005年に中国の一人当たりのGDPは1703米ドルに達し、
更に2010年には2400-3000米ドルと予想されているので、
消費やサービスに対するニーズが膨張することは当然だ」
と語りました。
金融、保険、航空旅行、メディア、通信、医療、
自動車などの消費関連サービス業には
大きな投資チャンスが存在すると思われます。
近頃消費関連銘柄の上昇は
機関投資家が人民元高による消費に対する刺激効果を認識し、
2007年の投資への布石と強い相関性があると関係者は見ています。
申銀万国証券研究所の
「もし人民元高が加速すれば」と題する最新レポートによれば、
人民元高は潜在的な消費意欲を刺激し、
消費意欲に牽引される
消費関連銘柄の業績の上昇は明らかと指摘しました。
更に国泰君安証券のレポートによれば、
消費は収入の増加と共に、
衣食など低い段階から医療健康、旅行、
教育などの更なる高い次元に転換する傾向が強まり、
また価格重視から品質重視の志向が強まり、
ブランド品に対するニーズが高まると説明しました。
アナリストたちは、2007年には
ブランド消費関連銘柄の上昇が期待できると確信しているようです。

ちょっと本題から外れ、私と関連のある話ですが、
消費が爆発に成長する結果はなんでしょうか。
資源の枯渇、ごみの大量発生、環境への破壊、地球の温暖化と、
すぐこれらの言葉が私の頭に浮かびます。
5年前に日本政府は循環型社会の構築と唱えました。
最近、中国政府は循環型経済と
協調型社会の構築が急務と強調しました。
しかし、環境問題はきわめて身近な問題となった今、
環境ビジネスに関わるいい企業があまりにも少ないと思いませんか。
私の経営する株式会社エコマテリアル(www.ec-material.jp)は
資源の再利用をテーマに掲げて
日中両国を中心に事業に取り組んでおります。
2008年の上場を目指していますので、2007年は直前期です。
いま、内部管理体制の整備、事業拡大のための人材の募集、
サービス拠点の拡充に奔走する毎日です。
こういうこともあり、大変恐縮ですが、
私のコラムは2007年3月末とさせていただきたく思います。
3月末はちょうど一年前に邱先生と約束しました、
「取合えず一年間書いてみます」となる時間です。
今までもあまり皆さんのためになるようなことを書いていませんが、
あと三ヶ月間付き合いさせていただければと思います。
2007年は皆様にとって健康で楽しく、
且つ躍進の一年でありますよう心からお祈り申し上げます。


←前回記事へ

2007年1月1日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ