日中を股に賭けるビジネスマン・千葉鴻儀さんが見た光と影

第75回
マカオ人

香港の中国返還に続いて中国に返還した
ポルトガルの植民地だったマカオはいま、
東洋のラスベガスに変身しつつあり、未曾有の活況に沸いています。
独占だったカジノライセンスの解禁に
米国資本や韓国資本などが群がるためです。

マカオは20世紀60年代から賭博業を合法化しました。
産業の少ないマカオでカジノ産業は迅速に成長し、
マカオの財政収入の三分の一以上を占めることになりました。
賭博業の合法化をマカオ政府に提案した何氏一族は
カジノ王としてカジノ、ホテル業、航空業、不動産など
様々の分野に手を染めマカオ経済に君臨しました。
マカオといえば、カジノと何氏一族なしでは語れません。
少年時代に父親をなくし母親に育てられた
何鴻桑(現在通称ドクター・ホー)は
鋭い先見性と冒険心で財政難に陥った当時のマカオ政府に乗り込み
カジノライセンスを独占した武勇伝を残しました。
マカオは冒険家の楽園と言われています。

マカオはカジノなどのサービス産業が中心です。
マカオ商人は商業モラルと信用を良く守るそうです。
マカオ人には地元出身の中国人と大陸からの移民が多くいますが、
東南アジアやポルトガルから移民もいます。
100年近くポルトガルの植民地としてのマカオは
中国の伝統が残る一方、
ポルトガルを初めとするヨーロッパの影響を強く受けています。
マカオ人の生活様式は東西文化融合の産物といえます。
マカオ人は親切でやさしく、
商売上の信用を大事にし、詐欺行為が少ないと言われています。

マカオ半島は大きな商業区です。
きちんとした店であろうが、屋台風の売店であろうが、
正直商売をやっている店が殆どです。
偽ブランド品や偽物を取り扱う店は皆無といっていいほどです。
マカオ商人は、商売の成立と利益の獲得が
商品の品質と経営者の信用にかかっていると思っているからです。
賭博の世界では珍しいかもしれません。
賭博の町にいるせいか、マカオ商人はリスクテーカーです。
自由貿易港でもあるマカオでは
小さな資本でも
大きな国際貿易に挑むマカオ商人は少なくありません。


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2007年1月12日(金)

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