日中を股に賭けるビジネスマン・千葉鴻儀さんが見た光と影

第83回
中国の金融工作会議と投資チャンス

1月19日、中国全国金融工作会議が北京で開かれました。
今度の金融会議は、アジア金融危機後10年以来、
1997年及び2002年に次いで三回目の会議でした。
前の会議と同じく、国務院総理温家宝氏が自ら主催し、
中央及び地方の金融当局の責任者、
主要金融機関のトップたちが会議に参加しました。
前の会議と同じように
国内外の注目を一身に集めた重要な会議でした。
唯一違うのは、10年前と比べると、
中国の金融環境はすでに大きな変化を成し遂げ、
中国の金融システムに対する海外の評価も
格段に違っていることです。

10年前、アジア金融危機に直面した中国は
この災難から逃れられないと人々は見ていました。
イギリスの有名な経済誌「エコノミスト」は
「中国:金融危機の次の犠牲品」と題した論文を発表しました。
1997年の金融工作会議はこのような背景で開かれました。
会議は中国の金融管理システムにメスを入れることに決定しました。
中国人民銀行(中央銀行)は九つのエリア支店を設立し、
証券業、保険業に対する監査機能を中央銀行から分離させて
証券監査委員会及び保険監査委員会を新設しました。
それと同時に、四大資産管理会社を設立し
国有銀行に対する資本注入と不良資産の処理を行いました。
しかし、2001年11月、
米国の著名投資化のジョージ・ソロスが
中国の金融体制に言及したとき、
「中国の金融体制の問題は日本または韓国の問題よりずっと深刻だ」
と悲観視していました。
WTO加盟後の中国の金融業は
真っ先に競争にさらされ崩壊するシナリオさえ想定されていました。
このような背景の下で
2002年に第二回目の金融工作会議が開かれました。

「過去5年間で勝ち取った金融改革の成果は空前なもの」
と中国金融の専門家がこう評しました。
2006年、国際資本市場で「チャイナコンセプト」の金融銘柄は
国際投資マネーの的となり、
A株市場の上げ幅は世界株式市場を圧倒しました。
さらに保険業の隆起は、チャイナライフを
中国でもっとも有力な機関投資家に押し上げました。

海外の金融業と渡り合うまでに成長してきた中国の金融業には
大きなチャンスとチャレンジが待ち構えています。
成長する産業への資金供給増や
人民元高による潜在的な利益をチャンスというなら、
金融サービスの拡充が緊急な課題として浮上しています。
成長する中国の金融業から目を離せません。


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2007年2月9日(金)

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