日中を股に賭けるビジネスマン・千葉鴻儀さんが見た光と影

第85回
旧暦お正月前とお正月後の中国の株式市場

2月18日は中国旧暦お正月の元日です。
今年は猪の年に当たり、
しかも60年一度の金猪の年と言われています。
昨年から大相場が続いて
中国の個人投資家の間ではこれからの一年に相当期待をしています。
一方、専門家の間に株式市場に関してバブル、
バブルでないという激論はますます白熱化してきています。

主な論点を見ていきますと、次のようなものがあります。

バブル論者の見方をまず、見ていきましょう。

中国株式市場の上昇の理由は数え切れないほどあるでしょうが、
バブル状況にあることは明白です。
中国株式市場の時価総額は約11兆億人民元で
流通時価総額はわずか3兆億人民元ですが、
毎日の取引高は1500億人民元に上ります。
一方、香港株式市場の流通時価総額13兆億人民元にもありますが、
毎日の取引高は僅か300億人民元です。
すなわち、香港株式市場の時価総額は
中国株式市場の4倍あまりにもかかわらず、
取引高は中国株式市場の五分の一に過ぎません。
中国人寿の2006年予想売上高は136億米ドルしかありませんが、
時価総額はすでに予想売上高1280億米ドルのINGを超えました。
同様に、中国工商銀行2006年の予想売上高は232億米ドルですが、
時価総額は売上高637億米ドルのHSBCを超えました。
どんな物差しでも説明はできません。
バブル以外のものはなにもありません。
バブルはいつまで続いていつ崩壊するかの問題だけです。

次に、バブルではない論者の見方を見ていきましょう。

資産に対するニーズの向上は
消費構造の変化や所得の変化を反映しているものです。
中国の経済規模や成長のスピードを勘案しても
中国の株式市場は正常であり、成長する機会はきわめて大きいです。
確かに過剰流動性の問題がありますが、
過剰流動性は必ずしも資産のバブルをもたらすものではありません。
92年からは中国の金融システムに
すでに過剰流動性の問題が存在していました。
中国は日本と同じようにバブル崩壊の道を歩むことはありません。
今の中国は80年代の日本と違って、
まだまだ発展途上にあり、大量の資金を必要としています。

小生の見解としてはバブル論が存在する限り、
しばらく安心して買ってもよいではないかと思います。
バブル警戒論が消えつつあるときは逆に用心すべきと思います。


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2007年2月16日(金)

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