日中を股に賭けるビジネスマン・千葉鴻儀さんが見た光と影

第88回
中国の両会と株式投資

第10回第5次全国人民代表大会(衆議院相当)
及び全国政治協商大会(参議院相当)(以下略称:両会)は
3月3日と3月5日にそれぞれ開催されます。
短期的に株式市場は両会をにらむ動きとなりそうです。

両会のホットな話題は住宅、教育、医療になりますが、
住宅価格の高騰、教育費の高騰及び医療費の高騰は
市民生活に大きく影を落としています。
どう解消するかは話題の中心となり、
マクロコントロールの的になることに違いありません。
投資的な妙味が少ないです。
それでは、
どのような業界やセグメントに好影響を与えるかと言いますと、
環境関連や農業関連セグメントになる可能性が大きいです。

いままでの中国経済の高度成長は
ある程度環境を犠牲にしてきた結果です。
ここ数年、生活水準の向上により
環境への関心が極めて高まってきました。
循環型経済の確立は
すでに中国の十一次5ヵ年計画の中に
基本国策と位置づけられています。
中国環境保護総局の予想によれば、
今後5年間、環境面での投資総額は13750億人民元となり、
GDPの1.6%にも上ります。
環境保護に関する諸政策は矢継ぎ早に打ち出されており、
国家財政部は
近く汚水排出権及び取引に関する試案を出す見通しです。
環境関連企業に対する
税制面や財政面のサポートが強化されると思われます。
従って、環境関連銘柄は注目されることとなるでしょう。
汚水処理関連の銘柄や
環境設備を製造する銘柄を
ポートフォリオに組み入れることが
短期的にも中長期的にも得策と思われます。

一方、農業をどう振興させるかは中国政府の頭痛の種であり、
ここ数年中央政府の政策の中心中の中心ともいえます。
8億もの農民の生活水準を向上させ、
都市と農村の格差をこれ以上拡大させないで
社会的な安定を保つことが急務であることは言うまでもありません。
胡錦濤、温家宝政権は
「親民」(庶民にやさしい)のイメージを
全面的に打ち出している以上、
衣農業関連への投資や税制面の優遇は
これからも果敢に実行されると思います。


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2007年3月2日(金)

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