東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第68回
「中国製薬」(レッドチップ、香港市場コード 1093)

香港上場の中国株は
第2ステージへ向けて株価は順調に推移しています。
インフラ関連の高速道路や電力株、
石油や石炭等のエネルギー関連株、
素材関連やその他自動車株などなど。
特に好決算で配当利回りが高く、
しかも流動性が高い銘柄群が
機関投資家や個人投資家の人気を集め、
相場の主流となっています。
主流銘柄は今後も(少なくとも第2ステージまでは)
まだまだ右肩上がりで推移すると思われます。

しかし最近、今年もう既に2〜3倍
あるいはそれ以上の値上がりをしている銘柄は
利食ったほうがいいのかというお問い合わせが寄せられます。
勿論それはご本人の自由でいろんな選択肢があるわけですが、
現場でそういった声を多く聞くようになったということから、
相場は今後
物色範囲が広がって来るのではないかと予想しています。
これは業種の広がりによる銘柄物色と同時に、
主流業種の中での出遅れ株(2番手銘柄)
物色などが考えられます。
たとえば、内需中心の相場から
通信やバイオ、薬品、金融、保険などにも
広がるかもしれません。(金融はすでに動意付いています。)

「中国製薬」(チャイナ・ファーマシィティカル)

同社は各種薬品の研究開発、製造、販売を行っています。
現在、同社と北京大学は
共同プロジェクトでバイオテクノロジーの研究を推進しており、
新薬開発を積極的に進めています。
同社の主力製品はビタミンC系原料薬品で、
その他ペニシリン系原料薬品、抗生物質7−ACAなどです。
同社のビタミンC生産量は12,100トンで、
世界シェアの約20%を占め世界第5位。
ペニシリンの生産量は3,800トンで
世界シェアの約10%を占め世界第10位。
同社によれば抗生物質7−ACAの生産量は800トンに達し、
これは世界第3位の生産量で、
03年は世界第2位を目指しているそうです。

【03年6月中間決算は大幅増収増益】

同社の今中間決算は前年比92.9%増収、
同255.2%の増益になっています。
過去2年間の通期連結決算は、
01年が売上高で前年比17.4%増、純利益の伸び率は同73.9%増。
02年は売上高で前年比39.1%増、
純利益は同63.0%増となっています。
01年の配当は0.036香港ドル、02年の配当は0.06香港ドル、
今中間配当は0.07香港ドル(8/28配当落ち日)です。
今下期の業績が大幅に落ち込まない限り、
3期連続の2桁増収増益となり、2期連続の増配企業となります。

株価は今年6月18日に3.2香港ドルの高値を付けましたが、
現在は2.750香港ドル(10/22)です。
03年の中間決算発表後に好決算を好感し
3.05香港ドル(8/13)まで値上がりしましたが、
現在は揉み合いで推移しています。

同社の概略だけで詳細は割愛させて頂きましたが、
中国経済の成長とともに個人所得は確実に伸びています。
人々は物欲と同時に
健康に対する関心も更に高まってくるでしょう。
現在の主流銘柄からは少しはずれていますが、
目先ではなく仕込んでおいても面白いと思います。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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