第6回
導引練習は体内環境から整える その3

導引練習における体内環境を整える方法としては
「調心・調息・調身」という三調があります。
三調について書かれた文章はたくさんありますが、
ここでは「気血」という視点から
もう少しお話してみたいと思います。

中医学では「気・血」は人間の命にとって
大切なものであると認識しています。
そして「陰平陽秘」の体内環境を作る目的は、
この気血の生産・流れ・利用という新陳代謝の循環を
うまく機能させることにあります。

「調心」でいう「心」には、
血液循環を統括する心臓だけではなく、
意識や思惟、精神も含まれます。
生命体の中で動物が植物よりも高等とされる理由には、
意識があること、生活環境が悪くなれば
より良い環境を求めて移動することができることなどがあります。

更に人間が他の動物よりも高等である理由としては、
生活環境の調整や改造をはかろうとする意識があること、
即ち自主的にコントロールする能力があることです。

「調心」とは、こうした体内環境調整の意識や
気血の新陳代謝を良好な状態にする精神状態を
整えるための練習であり、
三調の中でも一番重要であると思います。

体の気は、三つの道からそれぞれ得られます。
(1)親からもらった生命の原始パワー。
  「元気(げんき)」「真気(しんき)」といわれるものです。
(2)自然界に存在する他のものが持っているパワーを
   食事で摂取したパワー。
  「穀気(こき)」といわれるものです。
(3)呼吸で摂取した自然界に流れているパワー。
  「清気(せいき)」といわれるものです。

呼吸には気の生産に関連するだけではなく、
体内を昇降出入する気の流れを調節する作用もありますので、
「調息」という呼吸練習は
三調の中でも重要なポイントであると思います。

三調の「調身」とは、体の姿勢や動作を調整するための練習です。
この練習は体が健康状態を保つための基本となるものです。
正しい姿勢があれば、体内の臓腑は
自分の位置や状態を維持することができ、
持っている機能を正常に発揮させます。
そして筋肉や関節などの運動器官をほどよく動かすことで
気血の流れも促進させることができます。


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