第28回
勝ちたい気持ちでジャン・ケン・ポン

皆さん、“後だしジャンケン”ってご存知ですか?
1人対大勢で行うもので、
まず1人の方が、ジャンケン“ポン”でグーを出したら、
その他大勢はそれを見てからパーを出してよく、
勝ち気分を味わうというものです。
呼び名どおり後だし公認のゲーム。
その場の雰囲気を和ませたい時や、
笑いをとって心を“つかみOK”状態にしたい時に
使う手法の一つです。

ではこの逆はどうでしょうか?
逆とはつまり、あえて負ける側になるという事。
1人の方がチョキを出したら、
その他大勢はパーを出す・・・
これ、すぐにできますか?

先日ある講習会でその他大勢だった私は
勝ちの時は得意げに手がスッ!と出たのに、
負けを出そうとなったとたん、
3つのうちどれを選べばよいのか
頭と手がまったくつながっていない一瞬があって
自分に驚きました。

ジャンケンポンといえば、
順番を決めたり、鬼を決めたり、
物の所有権を獲得したりと子供の頃からおなじみで、
優位性を決める時によく使われますね。
そんなジャンケンですからこれをする時に、
「よ〜し負けるぞ〜」
という気持ちで望む人はまずいないでしょう。
ジャンケンをする時、
それはごくあたり前の意識なのですが、
この後だしジャンケンをやってみると
いかに自分が“勝ちたい”気持ちに支配されているのかがわかります。
ジャンケンは勝つもの。
えっ?そうなの?
たまには負けの人が一番でもいいのでは?

普段、常識と思っていることでも
見方を変えればまた違ったものが見えてくる。
イメージに支配されている感覚を、
たまには違う角度から刺激をしてみると
新しい発見があるかもしれません。


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