第44回
腸と腰の筋肉とは?!

ここで普段なにげなく行っている“あたり前の行動”を
思い起こしてみましょう。

歩く時は当然、脚が前に出ます。
その時に股関節を曲げるために筋肉が使われます。
階段を上る時もヒザを持ち上げる必要がありますよね。
これらの力はどこが発揮しているのか?
それが今日のタイトルにある、腸腰筋と呼ばれるものなのです。

腸腰筋は、二つの筋肉の総称でして、
大腰筋と呼ばれる5つの腰椎から
脚の付け根部分に向かってついているものと、
腸骨筋と呼ばれる骨盤の一部から
同じく脚の付け根に向かってついている筋肉です。
イスにすわった状態でオヘソに手を当て
その手をウエストラインまでもっていき、
骨盤に手を当ててヒザを軽く持ち上げてみると
この部分が動くのを感じるはずです。

まず両ヒザで立ち、そこから右脚を前に出して
ヒザを立てます。(右ヒザは90度ぐらいに曲げましょう)
この時からだの重心は両脚(前の右脚と後ろの左脚)に
かかっています。
両手を右ももの上に置いて体を支えながら(息を吸って)、
ゆっくりと体重を右脚へ(前方)移動させ、なおかつ
下へグーッと静かに落とします(吐きます、15秒ほどキープ)。
左脚の付け根部分が伸びてきますよ。(逆脚も同様に)

ポイントは、
右ひざがつま先よりも前に出ないように気をつける事。
体重は前だけではなく、“下へ”もかけるイメージで行います。
そして腹筋もゆるめる事なく“上へ”引き上げて、
体の中で綱引き状態をつくりあげましょう。
普段、前方ばかりにしか使われていない筋肉も
こうする事により左脚の付け根(=腸腰筋)が
上下にグーッとストレッチされて、
きっと心地良さを感じるはずです。
ヒザを持ち上げる働きをするからこそ、
逆方向に動かして固まらないように
ケアしてあげるのです。

この筋肉が生き生きしていれば、
カカトから着く歩き方も自然と体がこなしてくれて、
一つ一つの行動も颯爽としてきます。
ぜひ、試してみてください。


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