第89回
万年酸欠からの脱出!

2年前の9月中旬、私はカナダのバンクーバーから
車で約5時間移動した山奥に
ホースライディングを体験しに行ってきました。
現地7泊中、4泊5日は野外キャンプでしたので、
寝袋持参でしたが深夜になると
寒くて寒くてたまりません。

そこで現地の人にアドバイスをしてもらったのが
"帽子をかぶって眠ること"。
「頭から出る熱量はとても多いので
帽子をかぶれば放熱を防げるから温かいよ!」
と、身振り手振りでわかりやすく説明してくれたのを
今でもよく覚えています。
実際にやってみると本当だ!
全然からだの温まり方が違うのです!

それもそのはず。
脳を循環する血液の量は、
心臓から出される血液量の15%。
脳が1日に消費する酸素の量は120リットルで
肺が摂取する全酸素量の20%にあたります。
これは脳細胞がからだの細胞に比べて
平均約7倍の酸素を消費しているからなのです!

こんなに頑張っている脳だから、
熱量が多いのもうなずけます。
けれど、その熱の分だけの仕事を
私たちの脳は、はたして行っているのでしょうか?
答えはNO!のようです。
「大健康力」(ゴルフダイジェスト社)の著者、
医学博士の塩谷信男先生によると
「酸欠状態に慣れている私たちの脳は
実力の30%しか発揮していない」
というなんともトホホなご意見。

私たち人間は幸か不幸か、"適応能力"を持っています。
これはもちろん良いことでもあるのですが、
逆に慣れの恐ろしさもあります。
酸欠状態の脳に慣れてしまうと
それが当たり前の状態で
からだは日々の生活をしていこうとします。
けれどそのまんまでは、
落とし穴へ自ら進んで行っているようなもの。
このへんでもう一度、呼吸の大切さ、
酸素と私たちの関係を見つめて
万年酸欠からぜひ、脱出をはかろうではありませんか!


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