第90回
止めたくても止められない

世は禁煙ムードまっさかり。
WHO(世界保健機構)では平成元年から
5月31日を世界禁煙デーとしていますし、
厚生労働省もそれにつぐようなかたちで
平成4年に5月31日から6月6日までを
禁煙週間としてスタートさせるなど働きかけは盛んです。
「今年こそは禁煙するぞ!」とかかげた方も
多いのではないでしょうか。

「止めたくてもなかなか止められない」魔法の白い筒・・・。
なぜあんなちっちゃな筒に翻弄されてしまうのでしょうか。
約4,000種類の化学物質を持つ敵は
そのうち約200もの有害物質を併せ持っています。
その中でも有名なのが、
ニコチン・一酸化炭素・タールの三大有害物質。
これらの物質が、精神とからだ両面に
それはそれは巧みに働きかけてくるのです。

まずニコチンについて。
これは脳の中枢神経系の他に、胃の収縮力を低下させて、
嘔吐や吐き気をもたらします。
「タバコを止めたら食欲が出て太った」
とよく聞くのは、こんなところからきているのでしょうね。
他に血圧が上昇したり、抹消の血管が収縮して
血液循環が悪くなったりします。
またこれが一番やっかいなのでしょう、
脳には本来、有害物質が通らないように
関門が設けてあるのですが、
ニコチンはそれをものともせずスルリ!と通り抜け、
脳内に快楽をもたらせ、"気持ちよさ"を感じさせてしまうのです。
致死量は30〜60mg、
タバコ1本吸うと3〜4mgが体内に吸収されると
いわれています。

意外と知らないタバコが持つ悪いパワー。
誰もが皆、なにげな〜く吸いはじめたものでしょう。
けれど私たちのからだへの影響は、まだありそうです!


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