第126回
“ナンバ歩き”ってナンダ?

ナンバ歩き・・・
小学校の卒業式。
卒業証書を一人ずつもらう為に壇上に上がり、
校長先生めがけて歩いた事がどなたでもあるでしょう。
そんな時、普段はワンパク丸出しの男の子も
この時だけはカチコチに緊張して、
右手と右足がなぜか同時に出てしまい
笑いを誘うシーンがあった事、ありませんか?
端的に言うとこれが“ナンバ歩き”。

この歩き方は武術の根底になっている歩き方であり、
また、着物やはかまにも関連していて
日本人は明治時代以前まではこの歩き方をしていた
という説もあります。
基本姿勢は“半身”。右足と右腕を前にそろえて出し、
そこから地面を蹴るというよりも、
重力で前に押し出されるように前進します。
現代の歩き方をすると左手・右足、
というように前に出しているのでウエストがねじれていますよね。
これは“同じ側の腰を入れる”ようなイメージになります。
またカカトから着くのではなく、
すり足状態というのも大きな特徴でしょう。

着物を着た時に普段と同じ歩き方をすると
ウエストがねじれるので腰紐がゆるんで、
着くずれをおこしやすくなってしまいますが、
このナンバ歩きはそのねじれがグッと少なくなるので、
そういう心配はほぼ解消されます。

着る物や文化に沿って効率の良い行動というのを、
私たちは自然に行ってきていたのだと感じます。
欧米文化がすっかり入り込んでいる私たちの生活も、
着る物が変われば立ち居振舞いも日本文化に合わせていくことで、
成り立ちやそこにある意味がわかっておもしろいですね。
空手をやっている人のなかには、
「この歩き方は腰のねじれが軽減されるので
関節の負担が減る」とか、
「膝にかかる衝撃を分散できてケガをしづらくなる」
など具体的な効果を上げています。
普段から私が言っている“カカトからしっかり着いて”
という歩き方とはまったく違った考え方でこれは新鮮!でした。
明日は「手首」について。
小さい関節ですがあなどる事はできないようです。


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