第154回
岸から岸へ

つり橋を渡している岸と岸。
肩はこの岸と同じ仕事をしてくれています。

まず肩の構造を確認してみましょう。
肩は、背中側にある肩甲骨から鎖骨につながって
鎖骨は胸骨という胸の真中をとおっている骨につながっています。
さらに上腕骨もついているのですから
その支えている力たるや大変なものですね。

次に、つり橋に似た構造とはどういう事かというと・・・
からだの中で唯一骨に囲まれていないところ。
それはウエストです。
脊柱が通ってはいますが
肋骨の一番下から骨盤の間は
筋肉や脂肪がグルッと一周しているだけ。
ブラーンとぶら下がっている状態が
つり橋のようなイメージですよね。

肋骨が引きあがっている時は良いのですが
お腹周りの内臓を支える筋力がダウンしてくると
肋骨全体が重力に引っぱられます。
(つり橋がたわんできている感じでしょうか)
それを何とか引き上げなくてならない状態になると
肩や首は途端に緊張をしだして、
それが長く続くとコリに発展してしまうのです。

肩の痛みを取り除くには肩ばかりでなく
構造的にも関与している胸へのアプローチも
ポイントになってきます。
ぜひ、これから紹介するストレッチを試してみてください。

〜胸のストレッチ〜
・立位もしくは背もたれのない椅子で
1.まず、からだの後ろで手のヒラをあわせて指を組みます。
2.肩甲骨の間をギューッとよせるようにしながら、
  腕を上に持ち上げます。
3.胸の筋肉が伸びるのを感じましょう。
4.そのままの状態でゆっくりと左右に状態を揺らします。
(少しウエストをひねる感じ)
* 呼吸はからだが真中にある時に吸い、
  右にひねった時にフーッと吐きます(2〜3秒キープ)。
  左も同様に。8〜10回行いましょう。

とにかく“胸を開く〜”
そして“肋骨を上に持ち上げる〜”
というイメージを持ちながら行うことがポイントです。
明日は私たちのからだを影ながら(?)支えてくれている
“足のうら”について。
構造を知れば感謝の気持ちがわいてきます。


←前回記事へ 2003年4月7日(月) 次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ