第173回
ムリ・ムラ・ムダ

“ムリ・ムラ・ムダ”という言葉。
企業の経営や工場の生産ラインに関してよく耳にしますが、
これは私たちのからだづくりや
からだの限界・境界域を知る上でも
役立てていく事ができます。
その良いお手本となってくれるのが
プロスポーツ選手の生活。
大会では華やかな姿を披露していますが
そこまでにくる長い道のりは紆余曲折の連続。
まさにムリ・ムラ・ムダの中での自分探しです。

プロテニスプレイヤーのアンドレ・アガシ選手。
4月27日に行われた全米クレーコート選手権で
みごと優勝しましたね。
33才になりたてのアガシ選手は史上最年長で
世界ランキング1位の座を獲得した事になります。
テニスプレイヤーのピークは25〜26歳と言われる中、
ケガやスランプを乗り越えてのこの快挙。
アガシ自身はベテランになるにつれ
ハードなトレーニングを取り入れて、
からだづくり、スタミナづくりに
とても気を使ってきたと言われています。
そんな中で自分のからだの限界を見て、
「ここまでやれる!」という確信が自信につながり
大会ではその確信は苦しい局面でも
メンタル面で相当大きな支えとなったのではないかと
私は感じました。

年齢とともに変化する自分のからだを知るには、
今自分がどれだけのことができるのか
把握しておく事が大切です。
それを知る方法には172回で紹介した1〜5の運動を
少しのムリと、たまに感じる心のムラ、
そしてムダは最終的に生きてくるという心の余裕でしょうか。
こんな事を感じながら自分の可能性を知っていくと
運動ばかりに限ったことではなく、
趣味や生活への彩りにつながっていくのではないでしょうか。
これらは運動好きな人だけにクローズアップされがちですが、
“体力”は運動に限らず何をやるにも必要なものです。
自分の身の回りのことをするのだって
体力があるからこそですよね。

ではこのムリ・ムラ・ムダ。
ある一つのお約束のもとに行っていくことで
さらに意味のあるものにしていく事ができます。
次回はその“お約束”についてご紹介していきましょう。


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