インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第47回
インドにベンチャー企業が育つ理由

私がインド人パートナーの行動を見ていて一番感じるのは、
皆純粋にビジネスチャンスを求めているということです。
純粋に儲かるかにフォーカスし、
変なしがらみや先入観は持っていません。

例えば、彼らが展示会やセミナーのような場にいく目的は、
情報収集や勉強の目的は二番目で、
一番目は商談相手を探すという姿勢です。

まず、見積を依頼したい相手や売り込むモノといった、
ターゲットや対象が明確になっています。
そして売り込みの場合でも、
買ってくれる相手にいかにメリットがあるかを前面に出します。
つまり、ウィンーウィンの関係作りを最優先に考えています。
これは、我々もいつも肝に銘じておくべきでしょう。

そこでなんですが、インド人パートナーは
そういった場で知り合った相手に翌日のメールで、
具体的な売り込むものを説明し、アポを取ることになります。
ここで、例えばこちらが個人企業で相手が超大企業でも、
このやり方で容易にアポが取れるところが、
インドのすごい所だといつも感心しています。

この、誰とでもフランクに話しをする姿勢は、
インドのダイナミズムの一因にもなってるような気がします。
この状況は、インド人パートナーが
インドの大企業に宛てたメールを、
私にもBCCで送ってくれるのでわかるのです。

日本の場合は、何かを売りたい個人が、
例えば展示会で「三菱○○」や「三井△△」のような
企業の人と会ったとして、
次の日にメールでアポを取ろうとしても、
なかなか会えないと思います。
それは、面会される方も、やはり相手が個人だと
「大丈夫か?」と警戒してしまうのは当然でしょう。

また個人企業の側も、まずは相手の時間を無駄にしない、
役に立つ情報を与えられるように
努力しないといけませんね。

その点は、私も理解できるのですが、
そこをもう少しインドのようにフランクに、
心の壁を無くして、
自由に議論できる土壌になれば、
日本でももう少しベンチャーが育ちやすくなると思うのですが。


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2012年2月7日(火)

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