第64回
インド人社員をやめさせないために
先日、大阪にいるインド人が福岡に来られたので、
お会いしました。
いろいろ話をした中で、彼が日本で転職した時の話になりました。
日本にいるインド人にとって、
今日本でインド人を求める需要は大きく、就活は楽なようです。
しかし、そんな中にあっても、将来の情報収集のため、
いろいろな人とコンタクトを取る作業を休めないのはさすがです。
このように現在定職のあるインド人でも、
多くは現状に安住せず、自分のスキルアップと
人脈の拡大は、常に考えて行動しています。
それにより、常に収入増への挑戦を続けているのがインド人です。
ただ、そうしたインド人ですが、
仕事のやりがいや安定感、
そして会社の将来性も考えています。
そのような会社であれば、
現在の収入は多少低くても働いてくれます。
雇う側としては、そうしたインド人の気持ちを考え、
現在不満や問題点がないかなど、
普段からコミュニケーションを良くしておくことは大変大事です。
その上で、できるだけ明るい将来計画を見せるようにして、
安心して、希望を持って
働いてもらえるような配慮が必要でしょう。
もうひとり、あるインド企業の日本事務所にいるインド人社員で、
最近昇進した人の話をしましょう。
彼は昇進にも関わらず、昇給はナシという事でした。
彼は、やる仕事が増えただけ、とこぼしていました。
しかし、それでもやめずにがんばっています。
その理由は、
(1)今の日本勤務を続けたい
(2)給与以外の待遇(保険や年金、有給休暇などの福利厚生)
には満足している
(3)年齢的(40代)にも、好条件での転職が厳しい
からです。
彼は昇進する以前から、
インドから会社幹部が来日する度に、
必ず彼に給与アップの要求をしていました。
そして、いつも断られていました。
もう、4、5年昇給はないと思います。
それは上記のやめない理由は会社もわかっているようで、
昇給なしでも彼の会社への忠誠心は落ちない、
と見られているからです。 |