インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第63回
インド人同士の横の連携に注意

インド人、インド企業とチームを組んで仕事をする場合、
気をつけておかなければならないことのひとつに、
チーム内の情報共有の問題があります。
発注者が、機能毎にそれぞれ最適な複数のインド企業に分けて、
発注するような場合です。

一番良いのは、発注者である日本企業と
受注者であるインド企業、インド人がひとつである場合です。
この場合は、発注者側の
対インド・コミュ二ケーション能力さえあれば、
問題なく、スムーズに仕事は進むでしょう。

しかし仕事のボリュームが大きくなると、
仕事を機能ごとに分け、
それぞれ得意なインド企業に依頼することになります。
これには、一社に任せた場合のコストアップを防ぐことや、
きめ細かい管理ができるメリットもあります。

この時、それぞれが得た情報をお互いが共有して、
その後の仕事を効果的に進めさせるということは、
日本人以上に難しいものがあります。
他のインド企業は、仕事を取り合う競争相手でもありますので、
そうした相手に情報を出すという行為は、
基本的にいやなものですから。
それをこちらが強く言うと、
こちらにも不信感を抱かせることになります。

以前ある日本企業のインドでのマーケティング業務を
当社パートナー企業に委託して行った時、
ネット広告だけは、
ITに強い別のパートナー企業に委託しました。
その時、必要情報は横に連絡するしくみにしたのですが、
すべての情報が伝わらず、結局すべて当社経由として、
当社の負荷がかなり増えてしまった経験があります。

ですのでそうした体制の場合、
まずは依頼者である当社が情報を吸い上げ、
両者の間を調整していく体制にすべきでしょう。
これは、当社にノウハウが貯まるので良いといえば良いのですが、
やはりそのコミュニケーションのコストは大きく、
そこの継ぎ目に抜けがないようによく注意してないといけません。

ここをどう効果的にやるか、しくみ化するかが、課題であり、
腕の見せ所になります。





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2012年4月3日(火)

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