インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第105回
発注先とその外注先との力関係に注意

インドの企業に何かを発注する場合、
その相手先の会社の担当者やトップの考え方、態度、
レスポンスの速さ、提供するサービスや商品の品質、
納期遵守などについて、
厳しいチェックを怠らないようにしなければなりません。

そうしたチェックが合格であっても、
最初は小さな取引から始め、
状況を見ながら拡大させていくというのが良いでしょう。
このようなやり方で、良い会社と出会うと、
その後は効率よく、
スムーズに仕事がはかどることになります。

しかし、このような場合でも、
気をつけておかなければならないこともあります。
それは、仕事によっては、
その一部または全部を別の会社に外注する場合があるからです。

インドの場合の外注というのは、
日本の下請けほど上下関係はなく、
発注側が必ずしも強いとは限らない印象です。
それは、単なるコストダウンのために外注すると言うよりも、
発注側の企業ができないことを頼んでいることで、
受託側の力が意外に強いのです。

ですので、こういう下請けに出すような体制の場合には、
特に納期については
普段以上に注意をしておく必要があります。

まず、外注する場合は、相手側の業務遂行の体制を
事前に確認するようにしましょう。
そして、実際に作業する人が外注の場合は、
「外注先に言って下さい。」
といくつか指示してみましょう。
そして発注先から良い返事が得られない場合は、
下請け先に強くいえない関係にあると見るべきでしょう。

このような体制の場合は、そのような外注先のリスクを考慮し、
発注前にサンプルや関連資料を要求するなどして、
外注先の仕事ぶりもあわせてチェックし、
その態度もベンダー選定の材料にしなければなりません。

そういう相手でもどうしても発注しなければいけない場合は、
できるだけ小さく分割して出すことと、
そこに代わる発注先候補も見つけておくようにします。
それには、ダメな場合の切り替えと、
そこを材料にこちらの交渉力を高めておく
という意味があります。


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2012年8月28日(火)

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